最近、全国がん登録5年生存率報告が厚生労働省から公表されていました。
5年生存率は、2016年以降にがんと診断された方について、5年間生存した方の割合を算出するもので、国立研究開発法人国立 がん研究センターにより集計し、厚生労働省において取りまとめているものです。
大腸がんステージ3だと5年後生存率は72.4%です。(p. 25)でも、他に知りたいことは書かれていませんでした。
自分が癌になってしばらくするまで知りませんでしたが、癌といっても部位によりいろいろ違いがあり、同じ部位の癌でもステージによって違いがあり、ステージ3はAからCまであり、さらにmutation(突然変異)の種類によってまた違いがあり、ということで、すぐには自分の病状に関する詳しい情報にたどりつけませんでした。
癌ごとの、ステージごとの、個別の治療法に関する詳しい情報が欲しいと思います。大腸がんステージ3の場合は手術は普通当然受けると思いますが、その後のキモに悩む人が多いと思います。キモは体に悪いから受けないほうがいいと言う人は結構います。私もキモには否定的でしたが、効果が高いのなら受けます。たとえばもし生存率が60%から90%に上がるということなら悩まずにキモを選択できます。前に調べた時は、“ステージ3の大腸がんの場合、手術のみの場合5年後生存率(亡くなった人の死因が癌とは限らない)は50-65%。手術後に化学療法をすれば、それが65-75%に”なると理解し、たいして生存率があがらないと思っていましたが、それがどこに書いてあったのか思い出せません。上記の統計より低めですね。
私は副作用のためキモはやめましたが、今でも少しは気になります。私のようなステージ3Aの術後キモの場合のCAPOXの効果は統計的にはどうなっているのかと検索しなおしました。AIがさくっと答えてくれればいいなと期待したのですが、出てきません。やっと一つ見つけました。英語の文献ですが、なんと埼玉医科大学の田代浄先生を筆頭とするものです。
The 3-year relapse-free survival (RFS) rates were 74.9% for all cases, 58.3% for the surgery alone group, and 83.4% for the adjuvant chemotherapy group (P = 0.0001). The chemotherapy group was associated with a dramatic improvement in survival for stage IIIB (surgery alone 57.7% versus adjuvant chemotherapy 83.9%; P = 0.0001) and stage IIIC (surgery alone 18.2% versus adjuvant chemotherapy 57.3%; P = 0.006) patients.
グーグル訳
3年無再発生存率(RFS)は、全症例で74.9%、手術単独群で58.3%、補助化学療法群で83.4%でした(P = 0.0001)。化学療法群は、ステージIIIB(手術単独群57.7% vs. 補助化学療法群83.9%; P = 0.0001)およびステージIIIC(手術単独群18.2% vs. 補助化学療法群57.3%; P = 0.006)の患者において、生存率の劇的な改善と関連していました。
ところが、
chemotherapy did not affect the 3-year OS of stage IIIA and IIIC patients, and the 3-year RFS of stage IIIA patients.
化学療法は、ステージ IIIA および IIIC 患者の 3 年間の全生存率、およびステージ IIIA 患者の 3 年間の無再発生存率に影響を与えませんでした。
そして、
The present study emphasizes the needless of chemotherapy in cases of stage IIIA colon cancer. Whereas both groups had an excellent outcome, chemotherapy after surgery raised the 3-year RFS from 87.4% to 100%. While the sample sizes were too small to reach statistical significance, it is likely that chemotherapy could be omitted for certain types of stage IIIA colon cancer with low risk of recurrence, such as node positive T1/T2 patients.
本研究は、ステージIIIA大腸がんにおける化学療法の不必要さを強調するものである。両群とも良好な転帰を示したが、術後化学療法により3年RFSが87.4%から100%に上昇した。統計的有意差を得るにはサンプル数が少なすぎるものの、リンパ節転移陽性T1/T2患者など、再発リスクが低いステージIIIA大腸がんの特定のタイプでは、化学療法を省略できる可能性が高い。
これはそのまんま受け取っていいものなのでしょうか?それともこれとは反対の結論を出す研究があるとか?調べたらすぐにわかるというものでもないです。あぁ難しい。ということで、厚生労働省なり日本の公的研究機関なりが癌の種類ごと、ステージごとの治療のメリットデメリットを分かりやすく教えてくれればうれしいのですが。