「郁未さん、お疲れ様!」

 

私がフラのレッスンに行くと

先生がこのように声をかけてくださいます。

 

フラは私が10年以上続けている趣味の一つで

水曜日の仕事が終わってから

いつも急いでレッスンに行きます。

 

そんな事情をご存知の先生から

「お疲れ様!」って言ってもらえると

 

「今日も仕事が無事に終わった!。

さ~今からは私の時間だぞ~~!」って

 

今日一日の仕事が報われて

これからのフラの時間がかけがえのないものに思えてくるので不思議です。

 

「お疲れ様!」

 

誰もが何気に使っている言葉ですが

意外に効力があるように思います。

 

そんな「お疲れ様!」って、いったい何者?

 

この言葉の起源は

平安時代にまでさかのぼるのだとか・・・

 

当時から、日本人は「疲れ」という概念を尊重して

お互いに感謝の意を表現するために使っていたそうです。

 

平安時代から江戸時代にかけて

「疲れ」という概念は

重に貴族や武士の間で使用されていました。

 

当時の社会では

労働や努力に対する感謝を示すことが非常に重要視されていたため、

その感謝の表現が「お疲れ様」という言葉で表されるようになったのだそうです。

 

「お疲れ様」をあえて英語で言おうとすれば

 

“You did a great job.” 

(素晴らしい仕事だったね。)

 

“Thank you for all your troubele!”

(いろいろな困難を頑張ってくれてありがとう。)

 

“Thank you for your hard worek.”

(あなたの頑張りに感謝!)

etc.

 

これらすべて、相手が現実におこなった仕事に対するねぎらいの言葉です。

 

でも「お疲れ様!」は違います。

 

相手が現実に成果を出していようがいまいが、

「がんばったこと」または「今頑張っていること」に関する

心からの労いの言葉なんです。

 

私たちが使っている「お疲れ様」には

 

一つは上記のように

「頑張ったこと」または「頑張っていること」への

労いの言葉、

 

もう一つは「挨拶」の意味があります。

 

会社の中で、直接関わってない人とすれ違う時

 

別に何も声をかけずに会釈だけすればいいのですが

「お疲れ様!」と声をかけることによって

 

一緒に仕事をしている連帯感のようなものを

感じることもあるでしょう。

 

別に何に疲れたのかなんて考える必要はないんです。

挨拶なんですから・・・

 

また、イベントなどで競合他社の方と会った時、

どのように話しかけていいかわからなくても

とりあえず笑顔で「お疲れ様!」

 

これで会社は違っても

同じ業界で仕事をしている連帯感は感じられるはずです。

 

「お疲れ様!」という言葉は使いやすく

コミュニケーションの潤滑油になってくれる

素敵な言葉だと思いませんか。

 

浄土新宗本願寺派僧侶であり、

通訳や翻訳も手掛ける大來尚順氏によると

 

日本には「和」を大切にする精神が流れているため

この言葉が成り立っているとおっしゃっています。

 

 

外国人が解いた日本語のドリルの回答が

SNS上で注目を集めているそうです。

 

どういうことかといえば

 

「次の英語の挨拶」を日本語にしましょう、というのが問題

 

 その回答として

Hello      ➡ お疲れ様です

See you         ➡ お疲れ様です

Good job!       ➡ お疲れ様です

Welcome home ➡ お疲れ様です

How are you     ➡ お疲れ様です

Cheers!         ➡ お疲れ様です

 

全部答えが「お疲れ様です」じゃないですか!!笑

 

確かに回答としては間違っていますけど

「ある意味あってる!!」と思いませんか?

 

 

一方、「お疲れ様」という言葉が苦手な方もいらっしゃいます。

「お疲れ様!」と言われると

一挙に疲れが出てしまう感じがするそうです。

 

「具合が悪そうだけど、大丈夫?」って言われると

何でもなくても、何だか元気でなくなる気がするのと同じでしょうね。

 

また、朝から「お疲れ様!」は

どうもしっくりこないのだとか・・・

 

 

神話研究の加藤昌喜先生は

「お疲れ様」という言葉に

日本人の優しい感性が表れていると言います。

 

「疲れ」というネガティブな言葉を

その前後に「疲れさま」と丁寧語でくるむことによって

 

相手の疲れの背景を

想い、敬い、労って、神様の言葉に昇格させているのです。

 

頑張って生きている相手の背景にまで思いを馳せ

エールを送る気持ちと愛情を含めての「お疲れ様」なんです。

(ひすいこたろうさんの「名言セラピー」より)

 

 

「お互い様」「おかげ様」「お疲れ様」

 

日本語っていいですよね~!!

 

相手を思いやる精神がそこにあります。

 

そして、自分は人と人との間で生かされていることを

改めて感じさせられます。

 

大切にしたいです。

 

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お疲れ様の中の「つ」の音は

漢字で書くと「津」

 

「津」とは人や物が集まってくるところ

「集う」という意味があります。

 

「つ」には人、情報が自然と集まってくるという働きがあります。

 

「ついてる」も「つ」の言霊があり

良いものを集めてくれるのです。

 

この「つ」の言霊を日常的に活かせるのが

 

「おつかれさま!」

 

「どうか相手の人に良いものが集まりますように・・・」

という祈りの言霊だったのです。

 

「おつかれさま!」を使うことで

 

巡り巡って後から自分にも良いものが戻ってくるという

嬉しいいおまけもついてきます。

 

心理学的にも

「ありがとう」と「おつかれさま」を大事にしていくと

人間関係が豊かになっていき、

 

人間関係が豊かになると「生き甲斐」が生まれてくるんです。

 

「ありがとう」と「おつかれさま」の言霊に心を乗せて

あなたの大切な人に言葉をかけてくださいね。

 

ひすい こたろう 作家

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音譜今日もお読みいただきありがとうございました。 明日もよろしくお願いします音譜

 

 


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