このエピソードは登場人物があまりにも大物過ぎて

そして、内容があまりにも美談過ぎて

 

にわかには信じられないのですが・・・

 

どうやら実話のようです。

 

 

1892年当時、スタンフォード大学の学生だった一人の若者は

 

経済的に苦しい学生時代を送っていて、

とうとう授業料が払えなくなりました。

 

若者は幼いころに両親を亡くしていたため

お金の相談をする人は誰もいません。

 

思い悩んでいたところ、

若者にあるアイデアがひらめいたのです。

 

友人とともに、学内で有名音楽家によるコンサートのを企画して

その売り上げを学費に充てようというのです。

 

二人が目を付けたのは

当時世界的なピアニストとして有名だった

ポーランド生まれのイグナッツイ・ジャン・パレデフスキー

 

彼のマネージャーを通して交渉したところ

 

「出演料は2000ドルですが、よろしいですか?」

 

との返事が来たため

すぐに同意をして成約成功!!!

 

それからは不眠不休でチケットを売り始めました。

 

ありとあらゆる手を尽くしたのですが、

当日までに売り上げることができたのは1600ドルだけ

 

二人は演奏会の始まる前にパレデフスキーのところに行き

 

「二人で努力したのですが、

今お渡しできるのは1600ドルだけです。

後はできるだけ早くお返しします。」

 

とありのままを伝え、

1600ドルと誓約書を差し出したのです。

 

するとパレデフスキーはこう言いました。

 

「これはいただくわけにはいきません。

これは二人の学費に充ててください。

 

私は二人の素晴らしい若者に会えたことだけで

充分なんだから・・・」

 

驚いた二人は感謝の気持ちが極まり

「ありがとうございます!」と言うのがやっとでした。

 

ここまでだって十分感動ですよね。

でも、アメリカにはよくある話かもしれません。

 

ところが、この続きが凄いのです。

 

数年後にパレデフスキーはポーランドの首相になりました。

(え~って、世界的ピアニストが急に首相に・・・😲)

 

パレデフスキーは偉大な政治家でしたが

大きな困難に直面しました。

 

第一次世界大戦です。

 

ポーランドはドイツの攻撃を受け、

国民の生活は破滅状態でした。

 

150万人もの国民が飢えに苦しめられていたのです。

 

その頃、アメリカのウイルソン大統領の下で働いていたハーバート・フーヴァーは

 

ポーランドやヨーロッパ諸国の人々、特に子供たちが、

飢餓状態にいることにひどく心を痛め

 

アメリカが大量の支援少量を送る必要があることを

ウイルソン大統領に訴えていました。

 

そして、何千トンもの食料を集め、ポーランドに送り、

 

そのおかげで多くのポーランドの国民が

飢餓状態から救われたのです。

 

パレデフスキーは、中心になって動いてくれたフーヴァーと

直接会ってお礼の言葉を述べたいと切に願っていました。

 

そして大西洋を渡り、ついにその日が!!!

 

二人は固い握手をしました。

 

パレデフスキーは

ポーランド国民の想いを代表して感謝の気持ちを伝えたのです。

 

するとフーヴァーは即座にこう言いました。

 

「パレデフスキー首相、

そんなにおっしゃらないでください。

 

あなたはもうお忘れかもしれませんが

数年前に、あなたは困っていた2人の苦学生を助けてくれました。

 

あなたの演奏会を企画したのです。

 

私はそのうちの一人です。

 

おかげで私は大学を無事に卒業することができ、

今の仕事をしています。

 

私のしたことが少しでもお役に立ったのなら

こんなに嬉しいことはありません。」

 

そしてこのハーバート・フーヴァーは

後にアメリカ第31代大統領になったのです。

 

(左)ハーバート・フーヴァー (右)パレデフスキー

 

ねっ、登場人物が大物過ぎるでしょ??

そして、半端ない奇跡の美談ですよね。

 

「情けは人のためならず」と言われていますが

その構図そのもの!!!

 

他者を幸せにすれば、

自らに幸せが還ってくるのです。

 

見返りなんて求めません。

 

江原啓之さんは

 

「何事も原因があって結果があるという『原因結果の法則』は

確実に働きます。」

 

とおっしゃっています。

 

宇宙の法則なんですね。

 

パレデフスキーは

 

世界的ピアニストであり

そしてポーランドの首相、

 

そして、その後

サンフランシスコに移住して

ブドウ畑を買い、ワインを生産しました。

 

ロサンゼルス・タイムズは

 

パレデフスキーのワインは

「彼の音楽より切望されている」

 

と称賛しています。

 

いやはや、いったい何者なんでしょう?

多才すぎますよね!!!

 

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辛抱強く

落ち着いて行動することだ。

怒っていては

魚を捕まえることはできない

 

ハーバート・フーヴァー

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練習を一日休むと自分にわかる。

二日休むと批評家にわかる。

三日休むと聴衆にわかる。

 

イグナッツイ・パレデフスキー

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音譜今日もお読みいただきありがとうございました。 明日もよろしくお願いいたします。音譜