6月15日の私のameblo「犯人を捜せ!」」で
真実は一つのはずなのに
人間の記憶のあいまいさから
目撃証言が違ってくる内容のブログを書かせていただきました。
それの第2弾というわけではないのですが
今日は似通った内容でお届けします。
1974年に
アメリカの認知心理学者のエリザベス・ロフタス氏は
数十人の大学生に車の衝突事故の映像を見せます。
その後、大学生を5つのグループに分けて、
事故の状況について質問を行うのですが、
グループごとに質問の表現を若干変えています。
グループ1には
車が激突したとき、どのくらいの速度で走っていましたか?
グループ2には
車が衝突したとき、どのくらいの速度で走っていましたか?
グループ3には
車がぶつかったとき、どのくらいの速度で走っていましたか?
グループ4には
車が当たったとき、どのくらいの速度で走っていましたか?
グループ5には
車が接触したとき、どのくらいの速度で走っていましたか?
その結果、全く同じ映像を見ていたはずなのに
スピードに対する回答は異なっていました。
激突した ➡ 65km/h
衝突した ➡ 63km/h
ぶつかった ➡ 62km/h
当たった ➡ 55km/h
接触した ➡ 51km/h
「激突した」⇒⇒⇒「接触した」と
「ぶつかり度」がだんだん軽くなるにつれて、
質問の表現に整合するかのように
スピードも低くなってきていますね。
また1週間後の再テストで
「車の窓ガラスが割れたのを見ましたか」という質問には
オリジナルの映像では窓ガラスは割れていなかったにもかかわらず
激突した ➡ 32%が「イエス」
ぶつかった ➡ 14%が「イエス」
と回答しました。
質問の言葉の表現によって記憶が歪められてしまいましたね。
私たちは、実際に見たり聞いたりしたできごとも
質問される言葉に影響されて、簡単に書き換えてしまという
困ったクセを持っているようです。
フィラデルフィアにあるアーサナス大学のガブリエル・プリンサイブ教授は
175名にあるお話を聞かせてから、
「記憶のテスト」と称して
お話の内容について質問しました。
ただしその質問は
あえて事実とは反する聞き方をしたのです。
お話の中では
「ウサギがニンジンを食べた」なんていうことは言っていなかったのですが、
そしらぬ顔をした質問者は
「ウサギが食べたのはなんでしたか?
ニンジンでしたか?
それともレタスでしたか?」と質問したのです。
そしたら、90%の人が
「ニンジン」または「レタス」を食べたと答え、
「ウサギは何も食べてない」と正しく答えられた人は
たったの10%だったそうです。
私も、きっと、心の中では
「なんにも食べてないはずなのに・・・」
と思いながらも
「レタス」か「ニンジン」って答えて
まんまと質問者の思い通りになってしまいそうです。
直接的な命令やお願いをするのではなく、
まるで相手があたかも「自分で自由に選んだ」かのようにもっていく
「人を誘導することばの暗示」ですよね。
日常でも、気がつかないうちに、
この暗示にかかってしまっています。
例えば、会議などで、
「この案に反対の方はいらっしゃらないと思うのですが
皆様、いかがでしょうか?」
なんて言われると
一応、「皆様、いかがでしょうか?」と
みんなの意見は聞いてくださってはいるのですが、
「反対の人はいない」という言葉が頭の中に強く残って
「この案件はこれで決まりなんだ~」と思ってしまいます。
もし、あなたにお子さんがいらして
部屋はいつも散らかしっぱなし!!!
「片付けなさい!」と言っても
返ってくるのは「後で~!」
こう言ってみたらどうでしょう?
「おやつの前に部屋を片付ける?
それとも、おやつを食べてからにする??
どっちでもいいよ~」
「部屋を片付けない」という選択肢は
すでに消え去っているので
がっつりと反抗期のお子さんでなければ
おやつの前か後かの二者択一になりますよね。
(願わくばですが・・・)
でも、言葉ってすごいですね、
というか、怖いですね。
使い方次第で、相手が知らない間に
コントロールできちゃうんですから・・・
コントロールされないためにも
やっぱり、自分に自信を持つことが大切なのかな?
それとも
「ウサギが食べたのはなんでしたか?
ニンジンでしたか?
それともレタスでしたか?」
って聞かれたら
「えっ?ラビットフードじゃなかったですか?」って
すっとぼけるのもいいのかも・・・
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他人の言葉や暗示は
あなたを傷つけることはできません
あなたが傷つくのは、
他人の暗示や言葉を自分のものとして
受け入れたときのみです。
ジョセフ・マーフィー アメリカの牧師 著述家
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常に自分の中に答えを求めなさい。
周りの人や、周りの意見や、
周りの言葉にまおわされてはいけません。
アイリーン・キャディ イギリスの作家
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今日もお読みいただきありがとうございました。 明日もよろしくお願いいたします。