ある会社で社員が製品を運搬する作業をしていたのですが

午後になると、製品運搬に携わった社員たちが口々に

 

「疲れた~」

「頭が痛い!」

 

などと、疲労と体調不良を訴えるようになりました。

 

何が原因かわからないまま、一計を案じた会社は

 

運搬用に使っていた全容器の色を

黒から別の色に塗り替えてみました。

 

その結果、苦情が少なくなり、

労働能率もアップしたんだそうです。

 

では、ここで質問です。

 

黒から何色に塗り替えたのでしょう?

 

 

これはアメリカの色彩学者のL・チェスキン氏が

米国心理学会で報告したものです。

 

色は、物理的には重さを持っていませんが、

軽量感覚には影響します。

 

つまり、軽く感じられる色と

重く感じられる色があるということです。

 

先ほどの運搬用のケースの色ですが

黒から塗り替えた色は

 

ライトグリーンでした。

 

 

 

 

さらに、色は温度感覚にも影響します。

 

は人の交感神経に作用して、

血圧の上昇や筋肉の緊張を増大させます。

そのため、精神を興奮させ、開放的な気持ちになるのです。

 

一方、は人の副交感神経に作用して、

血圧を下げ筋肉の緊張を減少させます

そして、集中力が高まり、リラックスした状態になります。

 

ある実験で、温度と湿度を全く同じに設定した

い部屋」と「い部屋」の中に

被験者に入ってもらいました。

 

その結果、体感温度が、

い部屋」と「い部屋」での体感温度に

2~3度もの違いがあったそうです。

 

また

い部屋では30,40分しかいないのに1時間いたように感じ、

反対に、い部屋では、1時間いるのに

30,40分しかたっていないように感じたそうです。

 

色は目で見るものですよね。

この実験では見た色(or)での感覚の違いは分かりました。

 

では目隠しをして、それぞれの部屋に入ってもらった場合

違いは出ると思われますか。

 

いかにも「出ると思う」という返事を誘導する質問の仕方ですが

 

はい、その通りです。

 

東洋大学の野村順一教授の実験で

被験者に目隠しをして

い部屋」と「い部屋」に順番に入ってもらいました。

 

すると目に見えない状態であるにも関わらず

 

い部屋に入ると、心拍数は増加、血液・体温は上昇し

い部屋に入ると、心拍数は減少、血液・体温は下降する

 

という結果になったのだそうです。

 

このことで、目からだけでなく

私たちの皮膚も、色が持つ光の波長を認識し、

それを身体に取り込んでいることがわかりました。

 

 

色は食欲にも関係するそうです。

 

2012年にアメリカのコーネル大学の研究者により発表された研究によると

食べ物を載せる食器によって

被験者の食べる量が22%も多くなることが判明しました。

 

お皿の色とお皿に載せる食べ物の色を同系にすると

食欲が増すそうです。

 

例えば、グリーン系のお皿にほうれん草などを盛ると

食が進むそうです。

 

逆に、ダイエット中などで食べる量を減らしたいときは

食べ物の色と全く異なる色のお皿を選んで、

コントラストを際立たせるといいそうです。

 

 

ドイツの心理学者ルッシャーは

 

「好きな色は願望を表し、

嫌いな色は過去の体験を示し

好きでも嫌いでもない色は現在の生活を反映する」

 

と言っています。

 

あなたの好きな色、嫌いな色、

好きでも嫌いでもない色は何ですか。

 

 

 

ここで色のトリビア!

 

トリビア1

日本では成人向けの雑誌や映画につける色は「ピンク」ですよね

アメリカではなんだそうです。

ですから、「ピンク映画」は「ブルーフィルム」

スペインでは緑

“viejo verdo”(の老人)は「エッチなオジイさん」

中国では黄色

アダルト映画は「黄色電影」なのだそうです。

 

トリビア2

アメリカでの大統領官邸は「ホワイトハウス」

 

韓国の大統領府は「ブルーハウス」(2022年5月まで)

 

アルゼンチンの大統領官邸は「ピンクの館」

 

 

 

あまりにもショックなことがあったとき

 

「日常から色が消えた」

 

というのを何人かの方から聞いたことがあります。

 

本当に色が消えてしまうのだそうです。

 

町並みから、空から、花から、木々から、

野菜から、果物から、洋服から・・・・・

色が消えてしまったら・・・

 

白黒映画のようなのでしょうか?

 

でも、少しづつ元気になってくると

「色が戻ってくる」そうです。

 

私たちが世界の色を見ているのは

心を通してなのでしょうね。

 

それなら豊かな気もちで

思いっきり「バラ色の世界」を見たいですね。

 

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世界で一番美しい色は

自分に似合う色よ

 

ココ・シャネル フランスのデザイナー

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