ノートルダム清心学園理事長の渡辺和子さん著

「現代の忘れ物」からの抜粋です。

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エレベーターというのは

乗り込んで目的の階のボタンを押しますと

いつかは自然に閉まるものです。

 

ところが私たちは知らず知らずのうちに

自分の目的の階数を押しましたら

すぐに「閉」と書いたボタンを押しています。

 

私自分自身がそうしているのに気づきまして

持ち前の好奇心から、ある時

秒針のついた時計を持ち込んで計ってみました。

 

乗り込んでから階数のボタンを押して

秒針をじっと見ていますと

 

私どもの建物のエレベーターは

閉まるまでに4秒かかりました。

 

いずれにしても

私はどうしてこの4秒が待てないのだろうと考えさせられたのです。

 

どれほど忙しくても

4秒が待てないほどの仕事は滅多にありません。

 

少しウロウロしておりますと

4秒なんてすぐ経ってしまいます。

 

その日から小さな決心をいたしまして

私どもの大学のエレベーターに乗る時だけ、

 

他に一緒に乗る方がいらっしゃらない時は

自然に閉まるまで待とうと思いました。

 

これが案外難しいのです。

 

乗り込んだらすぐ閉めたくなる。

 

その閉めたいと思う自分に言い聞かせて、決心を守らせる。

 

私はその4秒というものを

イライラする気持ちをおさえて

自分を見つめる時間にしようと思いました。

 

4秒も待てない私でいたならば、

話をしに来る人の話を

ゆっくり聞いてあげることができなくなってしまう、と。

 

「4秒」が問題ではないのです。

 

「4秒が待てない自分」が問題だと思いました。

 

エレベーターのドアが閉まる4秒を節約する。

 

そのためかえって忙しい自分になっていないでしょうか。

 

浮かしたはずの数秒は、

自分の生活を豊かにしているどころか

 

むしろ貧しくしているのではないだろうか、

ということに気づくようになりました。

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私の心に一番響いた言葉は

 

「4秒が待てない自分」が問題だと思いました

 

そこで、まず、エレベーターに乗る私を観察してみました。

 

階数ボタン押すと

「閉」をすぐに押そうとします。

 

やってる、やってる・・・

 

しかも、2回も押してる・・・OMGびっくりガーン

 

「4秒待つ」という大切さがわかります。

 

今度は、その4秒間で深呼吸をしてみました。

この深呼吸、かなり有効です。スター

 

なんだか自分を取り戻せた気分になりました。

 

 

現代は、全てにおいてのスピードが求められています。

 

スーパーのレジ一つとっても

 

昔は商品の一つ一つの値段を店員さんがレジ打ちして総計を出し

お客様とお金のやり取りをして精算していました。

 

今はバーコードを通してスピーディーに総計でき

クレジット、現金、ポイント利用など

様々な方法で機械で精算できるようになりました。

 

かなり時短ですよね。

セルフレジがあるところもあります。

 

何かを調べたいときなど

 

昔は辞典や辞書で調べ

それでも埒が明かない時は図書館に行って

それらしき本を選んで調べる・・・

 

半日がかり、いえいえ、一日がかりの時もありました。

 

今なら、スマホやパソコンに入力すれば

ほぼ瞬時に検索結果がスクリーンに表示されますよね。

 

早く結果が出ることが当たり前になってきています。

 

こんなにスピードアップしているのに

 

それでも、まだ

パソコンの立ち上がりが遅いだの、

WIFIが遅いだの、レジが遅いだのと文句ばかり・・・

 

心の余裕がなさすぎ!!!!ショボーン

 

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こころに余裕があると、

行動にも余裕が生まれます。

 

行動に余裕があれば、

心にも余裕が生まれます。

 

戸塚 隆将 実業家

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戸塚隆将さんは、著書の

「世界エリートはなぜ、この基本を大事にするのか?」の中で

 

「私は、心に余裕を持つ意識を保ち続けるために、

ひごろ”After you!”(アフターユー)を大事にしています。」

 

とおっしゃっています。

 

”After you!”とは日本語で「どうぞお先に・・・」で

相手に譲る気持ちです。

 

”After you!”が言える人は

ちょっとした一瞬を待つことができる人

 

どんな素敵な洋服にも勝るオーラを

身に付けています。飛び出すハート

 

 

ある日、ティムのママはティムに向かって言いました。

 

“I love you, Tim!!”

 

するとティムは

「わかってるよ、ママ」

 

「どうして・・・?」

 

「だってママは僕が何か言い始めたら、

仕事の手を止めて、

ちゃんと僕の話を聞いてくれるんだもん・・・」

 

 

子育てに関しては

私は明らかにこの点は失敗したと思います。

 

でも、人生においてはまだまだ・・・

 

待ち合わせに少し早く行って

相手を笑顔で迎えられる余裕

 

相手の目を見ながら話を聞く余裕

 

にこやかに「どうぞ」と譲れる余裕

 

こんなにじみ出るオーラを

是非身に付けたいものです。

 

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人生で一番大切なのは

こころのゆとりです。

 

ゆとりがあれば人にも優しくできます。

 

ひすい こたろう 作家

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心の中に夢をしまっておく場所を

いつも空けておきなさい。

 

マーティン・ルーサー・キング牧師

アメリカの黒人公民権運動の指導者

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音譜今日もお読みいただきありがとうございました。 明日もよろしくお願いいたします。音譜