山奥のユダヤ人の村に、

新しいラビ(ユダヤ教における宗教指導者)が

着任することになりました。

 

村人たちはラビが着任する日に

祝いの宴を開くことにしました。

 

ユダヤ教会堂の中庭に空の樽を用意し、

前日までに村人それぞれが一瓶分のお酒を

墫の中に注ぎ入れておくことにしたのです。

 

当日までには墫はお酒でいっぱい!スター

 

新任のラビが到着すると

村人たちはラビを住まいに案内して、

 

そしてユダヤ教会堂で、祈りを捧げました。

 

さて、いよいよ祝いの宴が始まります。

 

しかし、どうしたことでしょう!あせるあせる

 

樽から注いだ液体は全くお酒の味がしません。びっくり

 

それはまるで水のようです。ショボーンガーン

 

長老たちは新任のラビの手前、戸惑い、恥じ入ったのです。

 

突き刺すような静寂が立ち込めました。

 

しばらくして、

隅にいた貧しい村人が立ち上がって言いました。

 

「皆さんに告白します。

 

実は、みんながお酒を注ぎ入れるだろうから、

わしが一瓶ぐらい水を入れたってわからないだろう。

そう思ったんです。」

 

間髪入れず、別の男が立ち上がりました。

 

「実は、オレも同じことを・・・」

 

その後次々に

 

「わしもです。」

「俺もです。」と言い出して、

 

とうとう村人全員が同じことをしていたことがわかりました。

 

全員の「私一人ぐらいしなくても・・・」の気持ちが

お酒をただのお水に変えてしまったのです

 

「祭りの酒」「ワインが水になった話」など

他にも、この話に似た話があり、

 

元サッカー日本代表監督の岡田武史さんは

「祭り酒」の話をしばしば選手たちに聞かせるのだそうです。

 

「自分がチームを支えている」という強い気持ちを一人ひとりが持って

初めて、チームが結成されるからです。

(戸田智弘さん著「座右の寓話」から抜粋しました。)

 

 

フランスで活躍したドイツの農学者のマクシミリアン・リンゲルマン氏は

実験を通してあることを発見しました。

 

被験者に綱引きをしてもらいます。

 

まずは1:1

それぞれ、目いっぱい引っ張り合いますよね。

 

その時の出力を100%とします。

 

次は2:2

その時の一人当たりの出力は93%

 

あらあら、低くなっちゃった!

 

次は3:3

その時の一人当たりの出力は85%

 

もっと低くなったじゃない‼

 

4:4になると77%

5:5になると70%

 

人数が増えるほど、一人が発揮する力は落ちていき

8人を超えると49%

 

「持っている力の半分以下」にまで低下するそうです。

 

リンゲルマンさんが発見したあることとは

 

一人で作業する場合と比べて、共同で作業を行う人数が増えると

一人当たりの生産性が低下してしまうということです。

 

この「社会的手抜きのこと」は「リンゲルマン効果」

名づけられました。

 

 

重要書類などは

ダブルチェック、トリプルチェックなど

多重チェックを行いますよね。

 

この多重チェックの中にも、実は罠が潜んでいるようです。

 

多重チェックは

複数の人の目を通してチェックをするわけですから

よりミスを見つけられて当然というのが理論です。

 

ところがそうではないようですよ。

 

⇓この表をご覧ください。

 

 

青ラインは理論

さすが100%を目指してますね。

 

それに比べて実際はどうでしょう?

赤ラインを見てくださいね。

 

トリプルチェック以降は下がり気味ですね。

 

ここにどんな心理が働いているんでしょう?

 

一人目の人

「あと何人もチェックするんでしょ?

なら私はテキトーでも平気!」

 

二人目以降の人

「前の人もOK出してるし

ここで少し手を抜いても

次からの人がチェックしてくれるから大丈夫!」

 

最後の人

「今までたくさんの人がチェックしてOKだったんだから

今さら、ミスがあるわけないじゃん!」

 

こんな感じでしょうか?

 

なるほど・・・

一人ひとりの責任感が薄いですね。

 

「私一人ぐらい・・・」は

決して

「私一人ぐらい・・・」で収まらないのです。

 

「あなた一人ぐらい手を抜いたってわかんないわよ!」

「何もあなた一人が頑張らなくてもいいんじゃない?」

 

このような悪魔のささやきが聞こえたら

笑顔で言い返しましょう。

 

「そんなわけないでしょ⁈」

 

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全員が一緒に前進すれば

成功は後からついてくる

 

ヘンリー・フォード

フォード・モーターカンパニーの創業者

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一人ひとりが自分にとっての

理想のリーダーになろう

 

サイモン・シネック イギリスの著述家

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音譜今日もお読みいただきありがとうございました。 明日もよろしくお願いいたします。音譜

 

 

 


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