毎日の仕事がマンネリ化
別に嫌じゃないのにモチベーションが上がらない・・・
こんな時もありますよね。
「お給料を上げれば、人はやる気を出し、
下げればやる気を失う。」
以前はこんな考えが定番でした。
1971年、アメリカのロチェスター大学の心理学者
エドワード・デシ氏によって
ある実験結果が発表されました。
被験者の大学生は
ソマと呼ばれるパズルを実験課題として与えられます。
ソマとは、大きめのサイコロのような立方体で繋がってできていて
それらを組み合わせながら
様々な形を作っていくパズルです。
この時、被験者は
異なる2つのグループに分けられます。
グループA
ソマのパズルが1問できるたびに
1ドルずつお金が与えられる。
グループB
そのような報酬は一切与えられない。
2つのグループには別室でしばらくソマに取り組んでもらいます。
途中で双方の監督者は
「今から私たちはしばらく席を外します。
その間はどうぞご自由に何をしてもかまいません。」
と告げて、部屋を出ます。
いなくなってしまったのはパーフォーマンスで
実は隣の部屋にいたのです。
被験者がいる実験室から見ると鏡に見えるのですが
隣室からは実験室の様子がうかがえるようになっていたのです。
そこで、この2つのグループがどのような行動をとるか
観察しました。
あなたは、グループAとグループB
どのような行動をとったと思われますか。
この2つのグループの行動には
明らかな違いがありました。
グループA（報酬あり）の被験者は
実験の監督者が部屋をでた途端
パズルを解くのを辞めてしまったのです。
そして部屋にある雑誌などを読み始めました。
一方、グループB（報酬なし）は
実験の監督者が部屋を立ち去っても
同じようにパズルを続けていました。
私はソマのパズルをやったことはないのですが
面白くて、いわば「ハマる」パズルなんだそうです。
放っておいても、やる気が自然に
わいてくる、ワクワク感
これを「内発的動機付け」と呼びます。
それに対して
報酬を支払うということは
「外発的動機付け」と呼ばれています。
いわばニンジンをかざして馬を走らせる状態です。
デシの実験によってわかったことは
パズルが面白い、そしてさらに報酬ももらえるとなると
ますます頑張るように思うのですが
本来は自分からパズルに取り組んで楽しんでいたはずが、
注意がお金に向いてしまい
お金をくれる実験の監督者がいなくなってしまうと
やる気をなくしてしまったようです。
人が内発的に動機づけられている時
（自分から楽しんでいる時）
外発的動機づけは（報酬など）
逆効果になることもあるということです。
これをアンダーマイニング効果と呼ぶそうです。
例えば
子どもがお母さんの家事のお手伝いをしたくて
お洗濯ものをたたんだり、食器を並べたりしていたとします。
もし、お手伝いをするたびにお小遣いをあげるようにしたら
もともとお母さんを手伝う目的だったのが
お小遣いをもらう目的にシフトしてしまい
お小遣いをもらわなければ
お手伝いする気なんて起こらなくなってしまうかもしれません。
また、
会社としては「もっともっと売り上げを伸ばしたい」あまりに
営業のノルマを設定をすると、
それによって
今までは楽しかった仕事も
数字にばかりに目が行くようになり、
意欲的だった営業マンのモチベーションが下がることもあるでしょう。
（ここで言いたいのは、お小遣いやノルマの設定が悪いというのではなく
時には内発的動機付けを下げてしまうこともあるということです。）
でも、報酬だけではなく
もう一つ大切な「外発的動機づけ」があります。
それは「励ましの言葉」です。
心理学者のヘンリー・ゴーダードさんは
エルゴグラフ（筋肉の作業能力を測定する器械）を使って
子どものエネルギーレベルを測定する実験をしました。
その結果、子どもがどん底に疲れていても
誰かに褒めてもらうと
エルゴグリフの数値が急速に上がることが分かったそうです。
アメリカの著作家のジョン・C・マクスウェルさんの著書
「励ましの言葉が人を驚くほど変える」では
氷のように冷たい水の入ったバケツに
どれだけ長く素足を入れていられるかという実験をしたとき
励ましてくれる人がそばにいると
誰もそばにいない時と比べて
2倍長く苦痛に耐えられることが分かった
と書いてあります。
報酬ももちろん嬉しいけど、
自分を認めて励ましてくれる人の存在は
かけがえのないものですよね。
「ありがとう。
あなたがいてくれるからとても助かっている♡」
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お金のためだけに働いていると、
決して成功はしない。
しかし、やっていることが大好きであれば
成功はあなたのものだ。
レイ・クロック アメリカ合衆国の実業家
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どんな仕事も
楽しくヤル方法があるのよ。
そのコツを見つければ、
仕事はゲームになる。
映画「メリー・ポピンズ」より
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今日もお読みいただきありがとうございました。 明日もよろしくお願いいたします。