最近、ウォーキング人口が増加傾向にあるようです。

 

笹川スポーツ財団が隔年で継続的に実施している

「スポーツライフに関する調査」で

 

2022年の週1回以上定期的にウォーキングを実施している率は36.8%

 

推計人口は3795万人だそうです。

 

1996年の調査では実施率は13.6%、推計人口は1306万人でしたので

この26年間で3倍近く増加したことになります。

 

私の友だちもご主人との朝の散歩が日課で

日の出や川に架かる橋の光景を

写真で送ってきてくれます。

 

仕事柄、朝が苦手な私は

朝活ができ、そして一緒に朝活をする人がいる彼女を

とてもうらやましく思います。

 

たとえ液晶画面を通してでも

朝の清々しさは十分に伝わってきて、彼女に感謝です。

 

これが実際の散歩なら

どんなにエネルギーに満ちた空気を味わうことができるでしょう。

 

厳密にいえば、散歩とウォーキングは違うとは思うのですが、

 

雨の日以外は毎日

ある程度の距離を歩いているので

彼女なりのウォーキングスタイルなんだと思います。

 

散歩が健康面にいいのはもちろんですが

散歩は格好の息抜きであり、

インスピレーションの宝庫なのです。

 

考えて、考えて、考えて、それでも考えに行き詰った時など

 

パソコンとにらめっこしたり、家の中に閉じこもってないで

そんな時こそ、散歩がいいそうですよ。

 

なぜなら、散歩にはアイディアを引き出す魔法がかけられているからです。

 

歩いていると、いろいろな考えが浮かんでは消え、

消えては浮かんできますよね。

 

心の奥底に眠っていた想念がふわっと出てくるのでしょうか。

 

新鮮な空気が脳を活性化させるのかもしれませんし、

足の刺激が発想を促進するという説もあります。

 

2015年のスタンフォード大学の研究チームにより

 

散歩には、脳内伝達物質のセロトニンの分泌量を増加させ

アイディアをひらめかせやすくすることが

科学的に実証されました。

 

屋外、屋内に限らず、歩いている場合は座っている場合よりも

60%クリエイティブになるそうです。

 

 

私も英会話スクールを経営していた時、

 

スクールは私の最寄駅から2つ目の駅にあったのですが、

仕事の帰り、電車を使わず、

50分ほどかけて歩いて帰ったことが何回かありました。

 

無心で歩いていると、浄化されたような、

すべてがリセットされた気持ちになれたのが不思議でした。

 

「今日は歩いて帰ろう」と思った時は

なんだかウキウキしてきたのを覚えています。

 

仕事や悩み事に集中していた時

いったんその集中から離れた「ボーっとタイム」の時に

 

いろいろなことがひらめくそうです!!!!

 

臨床心理士のジョナサン・ホーバン氏によると

散歩の効果を次のように言っています。

 

「散歩は血圧をさげ、

マイナス思考を脇に追いやります。

 

代謝を活性化させ、

血めぐりが改善されるため

 

各臓器に酸素と栄養が行き渡り

頭がすっきりすることになります。」

 

そのため多くの偉人が散歩を日課にしていました。

 

哲学者カントさんの場合

毎朝5時に起き、一日一食

異常なほど規則正しく、毎日午後4時からきっかり1時間

散歩をしていたそうです。

 

毎日決まった時間に決まった速度で散歩をしていたので、

街の人たちはカントが通ったのを見て時計を合わせたとも言われています。

 

(私、この人と暮らすのは無理!)

 

Apple社のスティーブ・ジョブズさんの場合

インドを歩いて旅してまわった経験もあり

人生を通して歩くのが好きでした。

 

Apple社があるパロアルト地区周辺の散歩コースで

長時間の散歩をして

その散歩の途中でいろいろなアイディアがひらめいたそうです。

 

また、彼はオフィスから飛び出して

オフィス街や公園などの屋外で歩きながらミーティングをする

「ウォーキング会議」を好んで取り入れていました。

 

フェイスブックの創始者のマーク・ザッカーバーグさんも

「ウォーキング会議」を取り入れていたようです。

 

日本で聞いたことがない「ウォーキング会議」ですが

頬に風を受け、新鮮な空気を吸うだけで

何かひらめきそう!!!!

 

ベートーヴェンさんの場合

交響曲第6番「田園」が伝えるように

緑豊かなウィーンの森の散歩が

ベートーヴェンに多くのインスピレーションを与え続けました。

 

ベートーヴェンは31歳の時に

ハイリゲンシュタットのパン屋の2Fの一部屋を借りていて

そこから毎日のように散歩に出かけたそうです。

 

出かけるのはランチの後

 

紙と鉛筆を持って3~4時間、森の中を歩き、

歩いているうちに曲がひらめくと

すかさず紙に書き留めたそうです。

 

シュライバーバッハという小川沿いからは

どんな小鳥のさえずり、木々のささやきが聞こえてきたのでしょうか。

 

その時歩いていた小さな道は

今では「ベートーヴェンの小径」と呼ばれているそうです。

 

イギリスの作家ディッケンズさんの場合

「オリバーツイスト」「クリスマスキャロル」を書いた作家

午後2時から3時、毎日20マイルも歩き

散歩中に目にしたものを作品に取り込んでいたそうです。

 

その他

ニュートン、アインシュタイン、ダーウィン、フロイトなど多くの偉人が

散歩を日課にしていたようです。

 

散歩の時間が

文学に、芸術に、ビジネスに、学問に

大きなインスピレーションを与えたのがよくわかりました。

 

こうなると散歩は単なる気分転換ではなく、

もはや積極的活動ですよね。

 

偉人の方々ほど長い散歩時間を取ることはできませんが

 

駅までの往復など

私が無理なくできる範囲で

 

時には木々の緑や道端の花に目をやり

時には満ち欠けする月や輝く星たちを見上げ

また時には自分の足が大地を踏んでいるのを感じる

 

そんな時間を大切にしていきたいと思います。

 

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愛の幸福な瞬間、そよ風の楽しさ

明るい朝の新鮮な空気の香りをかぐこと

こういったことが、

人生の中にあるすべての苦しみや努力ほどの価値がないと

誰に言えるだろうか

 

エリッヒ・フロム アメリカの社会学者

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早朝の散歩は一日中恩恵をもたらす

 

ヘンリー・デイヴィッド・ソロー アメリカの作家

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音譜今日もお読みいただきありがとうございました。 明日もよろしくお願いします。音譜