アメリカのニューヨーク市立大学で
社会経済的不平等に関する研究をしている
ベネット・キャラハン氏は
ユーヨークとシカゴで
ホームレスに関するメッセージを書いた段ボールの看板と
お金を入れてもらう紙コップを持って通りに立ち
行きかう人たちから寄付を集める実験をしました。
身分は隠し、写真のように
スーツを着た場合と、Tシャツにジーンズ姿の場合で
何か違いがあるかどうかをみたのです。
通りに立った時間は3時間半
結果としては
スーツを着た時に集まった金額は54.11ドル
それに対してTシャツの時は21.15ドルでした。
スーツを着た方が約2.5倍ですね。
さらに、スーツを着ている時は、
人々は5ドルとか10ドル（コインではなく紙幣）を紙コップに入れ、
再び寄付にやってきた人もいれば
名刺を置いていった人もいたそうです。
スーツを着た方が
多く寄付を集められると思ってはいましたので
私としてはさほど驚きはしませんでした。
あなたはどうですか。
フランスでも
浮浪者風の身なりをした男性とビシッとスーツできめた男性が
街で倒れた時の人々の反応をみる社会実験がありました。
浮浪者風の身なりをした男性が倒れた時は
人々は完璧に無視
男性が「助けて」と言っているにもかかわらず
助けようとする人は誰一人もいませんでした。
それに対して、
ビシッとスーツできめた男性が倒れた時は
通行人がすぐに駆け寄り
周りに人々が集まって
事の成り行きを心配そうに見守ていました。
でも、何故このような差が出たのでしょうか。
どうやら人は、
Ｔシャツを着ているよりもスーツを着ている方が、
社会的ステータスが高いと認識するようです。
さらにスーツを着ていた方が、有能で、人柄もよく
人間力もあると評価し、
寄付されたお金は
アルコールやドラッグなど個人的な利益にでは
正当に使われるだろうという印象を与えたからかもしれません。
寄付したお金が正当に使われるかどうか、
ここは一番心配するところですよね。
このように、
全体的な印象や何か一つの印象から
個々の特性を同じように評価してしまう傾向を
「ハロー効果」と言うそうです。
「ハロー」というのは
「こんにちは」の「Hello」ではなく
「halo」です・
あなたもキリストや菩薩などの後頭部に光輪がある絵画を
見たことがあると思いますが、
（「後光がさしている」とも言いますよね。）
「ハロー(halo)」はその光輪のことを言います。
後光がさしているように目立つたった一つの特徴によって、
利点や優れた点を過大評価してしまうことなのだそうです。
「あまりよくわからない～！」ですよね
例えば、
あの人はきちんとした身なりをしているので
（信頼がおける人に違いない）
高学歴のあの人は
（きっと優秀に違いない）
あの有名な人が勧めているので
（この商品は安心なのに違いない）
こんなにいいビルに会社があるなんて
（きっと素晴らしい会社に違いない）
あの人は海外生活が長いので
（きっと語学に堪能なのにちがいない）
本当のことははよく知らないのに
勝手に外見から判断してしまうことってありますね。
元TBSアナウンサーの久米宏さんは
番組内でホームレスに扮し、
デパートに入ろうとしたところ
「入っちゃダメ」と冷たくあしらわれ
その後、交番に行って
「トイレを貸してください。」と頼んだら
「ダメダメ、あっちに行け」と
お巡りさんが叫んだそうです。
また黒柳徹子さんが
雀の巣のような頭に眼鏡と言った撮影の衣装のまま
NHKの食堂に行ったら
「食堂のスタッフの方々の態度がいつもと全然違った」と
話していらっしゃいました。
「人は見た目ではない」とはいえ
見た目が人に与える影響はとても大きいです。
心理学には「初頭効果」という言葉があり
最初に会った時の印象が相手の気持ちを左右するといわれています。
海外の研究者の実験では、
レストランで女性のホールスタッフが
髪に花を飾った場合
飾らなかった時に比べ
チップが額が増えたという結果があったそうです。
自分らしさを失わないで
それでいて
相手を思いやる「見た目」が大切なのでしょうね。
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スタイルとは
ことばを使わずに自分が何者かを
伝える方法
レイチェル・ゾー ファッションデザイナー
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上品さとは
飾らないこと
クリストバル・バレンシアガ ファッションデザイナー
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今日もお読みいただきありがとうございました。 明日もよろしくお願いいたします。