2005年、ゴルフの「アメリカン・エキスプレス選手権」の最終日。

 

タイガー・ウッズはアマチュア時代からのライバルである

ジョン・デイリーと優勝争いを繰り広げていました。

 

試合は決着ががつかず、プレーオフへ

 

ジョンがもしパットを外せば

タイガーの優勝が決る展開になりました。

 

ジョンがパターを打った瞬間

 

タイガーはなんと

 

「入れ~!」と念じていたのです。

 

ジョンが外せば優勝できるので

「はずせ~!」じゃないの?

 

と、凡人の私は思うのですが

そこがタイガーの素晴らしいところ。

 

タイガーが言うには

 

もし「入るな!」と念じれば

そこからは「マイナスの戦い」が始まることになります。

 

もし「入るな!」と念じているのにパットが入ったら、

タイガーは落胆することになるでしょ?

 

そうすると次のタイガーがプレーする番になった時

タイガーはネガティブな気持ちを引きずったまま

プレーをすることになります。

 

一方

タイガーが「入れ!」と念じて相手が入ったら

タイガーは「よーし。」と

ポジティブな気落ちで次のプレーに臨むことができるんです。

 

だからタイガーはジョンがボールをカップに入れることを

心底願っていたのです。

 

なるほどね~

さすがです!!!

 

この試合の結果は、

ジョンがパットを外し、タイガーが優勝

 

優勝したのだから嬉しそうな顔で優勝インタビューに応じると思いきや

口を「へ」の字に曲げ、なんだか悲しそう・・・

 

優勝インタビューで

「何故悲しそうな顔をしていたのか」の質問に

「ジョンがパットを外したから」と答えています。

 

(教育総研KADOKAWAのダ・ヴィンチWebを参照しました。)

 

 

日本にも敵対する相手の窮地を救った武将がいます。

 

上杉謙信です。

 

当時、上杉謙信と武田信玄は熾烈な争いを繰り広げていました。

 

そんな権力闘争の真っただ中、武田信玄は今川氏真から

塩を譲ってもらえなくなってしまったのです。

 

塩はミネラルなどの栄養価が高く、

人間が生きる上でなくてはならないもの。

 

しかし、武田信玄の甲斐の国には海はありません。

さぁ、困った!

 

そんな窮地にたたされている武田信玄に

なんと、ライバル上杉謙信は

 

塩を送ったのです。

 

なかなかできることではないですよね。                                                                                                                                                                                                                                                                                   

 

こうして武田信玄は苦境を脱することができました。

 

武田信玄は上杉謙信に感謝の意を込めて

「塩留の太刀」を送ったそうです。

 

よほどうれしかったのでしょう。

 

そしてここから「敵に塩を送る」と言う言葉が生まれました。

 

 

アジアで活動する実業家である大城 太さんは

著書「華僑の大富豪に学ぶ ずるゆる 最強の仕事術」で

このようにおっしゃっています。

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華僑の方たちは言葉も文化も違う国で

たくましくビジネスを展開しています。

彼らから学ぶべきものは

ミュニケーションの高さです。

 

華僑の人たちは相手を応援することが自分のためになると

考えています。

 

相手のミスを願えば

自分自身がミス体質になってしまうのです。

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ミス体質、いやだ~!

 

アメリカのアイオワ州立大学のジェンタイル教授は

「他人の幸せを願うと自分も幸せになれる」という研究をしました。  

 

496人の大学生を4つのグループに分け

人と出会うごとに心の中であることを考え

12分間にわたって大学構内を歩いてもらいました。

 

その4つのグループというのは

1     その人が幸せになってほしいと優しい気持ちを抱く

2     その人と自分にはどんな共通点があるかを考えてみる

3     その人より自分がすぐれていそうな点はどこかを考える

4     その人の服装や持ち物について考察してみる

 

散歩の前後に、

不安、幸福度、ストレス、共感性、他者とのつながり

などの要素をスコア化しました。

 

その結果、

「その人が幸せになってほしいと優しい気持ちを抱く」が

最も幸福度が高く、不安が減少して、

共感性や他者とのつながりにおいてもプラスの傾向がみられたそうです。

 

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書道家の武田双雲さんもご自身のブログで

このようにおっしゃっています。

 

どんどん他人を応援しましょう

 

応援するほどに

力が湧いてきます

 

人を応援することは

自分を応援することになります。

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運は循環しています。

 

だから

人の幸福や成功を喜べる人は

自分にも幸福や成功が巡りめぐってきます。

 

ライバルが弱いままでは自分もまた弱くなり、

反対に、相手が強くなれば

自分もまた強くなることができるんです。

 

昔、「人の不幸は蜜の味」というドラマがありました。

人の不幸を喜ぶより、

「人の幸せは蜜の味」の方が

 

もちろんいいですよね?!

 

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脳は戦って誰かを蹴落とすことより

共生をめざすことの方が

高いパフォーマンスを発揮できるのです。

 

よって、ライバルの成長も祈るのです。

 

中野 信子 脳科学者

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音譜今日もお読みいただきありがとうございました 明日もよろしくお願いいたします。音譜