このブログに何度か登場したSHOGENさんは

ティンガティンガというペンキ画を学びに

アフリカのタンザニアにあるブンジュ村にいました。

 

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ここからはSHOGENさんとひすいこたろうさんの共著

「誰のための生きる」からの抜粋です。

 

ブンジュ村では図工の時間を

「1日」とっている学校があります。

 

テーマは毎回決まっていて

「自分の好きな場所に飾りたい絵」

 

それを子どもが描きたくなったら描く。

 

描きたくなる時間はみんな違うので

その日のうちに書けばいい、というわけです。

 

そして自分で描いた絵を家のどこに飾るかを必ず決めます。

 

さらにちゃんとその通りに家に飾ってあるか

先生が見に来ます。

 

これは、自分の描いた絵が好きな場所に飾ってあることで

自己肯定感が高められることがわかっているからです。

 

また、小学6年生までに

「壁画」を描く授業もあります。

 

このように、タンザニアではアートを大事にしているのです。

 

ある時、公共の壁に

子どもが絵を描いていました。

 

SHOGENさんは、てっきり、

子どもを注意するのかと思ったのですが

違ったのです。

 

「邪魔しないであげてね。

彼女は今、自分を好きになる行為をやっているんだから、

みんな黙ってみててね。」

 

と警察官は、周りの人に言ったのです。

 

家に飾る絵を描くことも

壁画を描くということも

「残る絵」を描くということ。

 

これは自分に自信を持ち、

自分を認めるという行為で

タンザニアではアートを通して

日常から自己肯定感を高める考え方を

持っているのです。

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タンザニアの方々のアートに関する世界観が

人間の原点に戻ったようで素晴らしいですね。

 

SHOGENさんは現在

壁画を描いたり、個展を開いたり、

日本で日本人の素晴らしさを伝えるトークショーや

壁画を描くワークショップなどをしていらっしゃいます。

 

 

SHOGENさんがイベントでおっしゃっていることは一つだけ、

 

「自分のために描いてね。

お父さんや、お母さん、人のために描かないでね。」

 

それはSHOGENさんがブンジュ村で教えてもらったことです。

 

「アートに上手い下手はないよ。

自分らしい絵が描けたらOKだよ。

みんなの今日の心の色は何色かな?

まずはみんなの心に色から塗ってみようか」

 

ある小学校で壁画を描くワークショップでのこと

 

グランドの壁に好きな絵を描いてもらったそうです。

 

「何を描いてもいいよ。」

 

小学生がわ~っと壁に向かっていっせいに描き始めた中

 

一人の女の子がその中に入っていけませんでした。

 

その女の子はふだんなかなか教室に行けず

ほとんど保健室で過ごしてたのです。

 

「あと3分!」とSHOGENさんが伝えた時

 

なんと、その女の子が勇気を出してみんなの中に入っていき、

 

丁寧な筆づかいで、みんなの描いた絵の隙間を

緑と青を混ぜた色で塗っていったんだそうです。

 

SHOGENさんが

「何を描いたの?」と聞いたら

 

「みんなの心の中に入りたかったの。

この色がみんなの心の中に入れてくれる色」

と答えたそうです。

 

感動的ですね飛び出すハート

 

その女の子にとって「仲間に入れて!」と

言葉に出すことは難しかったかもしれませんが

 

アートの力を借りて自分を表現できたのです。

 

その女の子は

誰のためでもなく、自分のために絵を描きました。

 

もう大丈夫!

緑と青を混ぜた色は

みんなの心の中にしっかり入っていきましたよ!!

 

アートの力って

本当に素晴らしいですね。

 

あなたもこんな経験ありませんか、

 

心が沈んだ時

音楽が、絵画が、映画が・・・

 

あなたを本来の自分に気づかせてくれたこと

あなたの気持ちをゆたかにしてくれたことって

 

ミシガン州立大学生理学の

ロバート・ルート・バーンスタイン教授によると

 

ノーベル賞を受賞した科学者には

アート関係の趣味を持つ人がほかの科学者と比べ

3倍も多かったそうです。

 

また、Appleの創業者のスティーブ・ジョブズ氏も

 

ニューヨークのホイットニー美術館や

メトロポリタン美術館でアートに囲まれながら

 

ビジネス関連のメモをたくさん取っていたそうです。

 

 

絵画だけでなく芸術は

人種も、言語も、性別も超えて

 

心の奥深くの自分に語りかけてくれるパワーを

持っていると思います。

 

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愛を持って丁寧に過ごす日々は

愛の物語であり、

愛のアートになるんです。

 

SHOGEN

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アートは物の中にあるわけじゃありません。

鑑賞者の心の中に存在します。

 

東京藝術大学 日比野克彦教授

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音譜今日もお読みいただきありがとうございました。 明日もよろしくお願いいたします。音譜