2018年2月

ここは韓国の平昌

冬季オリンピックは連日の感動で盛り上がっていました。

 

そして

スピードスケート女子500メートル

 

全16組中14組で日本の小平奈緒さんが

オリンピック新記録を打ち出し

会場は大きなどよめきの渦でした。

 

そんな中、

地元韓国のイ・サンファさんがスタートラインに・・

 

イ・サンファさんは過去2回のオリンピックで金メダル

 

地元韓国の期待が3連覇を目指す彼女の肩に

ずっしりとかかっています。

 

 

そして結果は

 

 

イ・サンファさんは自身の実力を出し切れずに

0.39秒の差で金メダルは小平奈緒さんの手に

 

銀メダルにはなったものの

イ・サンファさんの3連覇の夢は崩れ去ったのでした。

 

地元の観客の期待に応えることができなかったイ・サンファさんは

ウイニイングランで思わず泣きじゃくり始めます。

 

すると日の丸を背中に巻いた小平奈緒さんが

韓国旗を持ったイ・サンファさんに駆け寄り

 

抱きかかえあるようにしながら

韓国語で「チャレッソ(頑張ったね)」と伝えたそうです。

 

 

ウインニングランでは

自国のメディアや観客に向けて

勝利の喜びを目いっぱい伝えるのが普通

 

それを

実力が出しきれずに打ちひしがれる対戦相手に寄り添い

労をねぎらう言葉をかけるなんて

なかなかできるものではありません。

 

金メダルを取った自分が中心ではなく

期待の重圧の中で頑張たイ・サンファさんに「花を持たせ」

お互いに功を分かち合ったのです

 

この様子を見た韓国メディアは

「スピードスケートの実力だけではなく

人間性も金メダル」と報じたそうです。

 

 

「マウントをとる」という言葉が最近よく使われます。

 

「自分の方が上なんだぞ~」という優位性を

相手や周囲に示す行為を言いますよね。

 

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作家の櫻井秀勲さんは

著書「人を味方につける男、敵にする男」の中で

このようにおっしゃっています。

 

「自分が、自分が・・・」と言う態度をとり続けると

周囲は冷たい視線を向けるようになる。

 

「人に花を持たせる」と言う考え方は

「引き寄せの法則」と不思議なくらい一致している

 

「相手に花を持たせる」とは

その人をたてて功を譲ること

こうすることにより、

相手を喜ばせ感謝されるのですが、

このことによって相手も自分自身も

幸せを引き寄せることができる

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わかってはいるのですが

なかなか難し~

 

あの豊臣秀吉も

「人に花を持たせる」ことを

上手にしていたようですよ。

 

秀吉は信長のこころの動きをよみ

自分が疎まれるのを避けるために

 

最後の一手という時に

 

「殿、直々のご出陣を・・・」と

あえて信長に出馬要請をして

 

最後にはすべて信長の手柄として

信長に花を待たせたと言われています。

 

 

「人に花を持たせる」という言葉は

 

花束を持っていると主役に見えるので

そのように言われているのかと思っていたのですが、

 

ちゃんと意味があるそうです。

 

それは連句です。

 

連句と言うのは

まず一人が「五・七・五」を、

その情景から浮かぶ句を次の人が「七・七」で答えます。

 

こうやって何人かで詠み合って楽しむ文芸で

 

その中で、「花」は特別の言葉のため、

特別高い地位にいる人に譲ることが多かったことから

 

功を他の人に譲るという意味で使われるようになったそうです。

 

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他人に花を持たせよう。

自分に花の香りが残る。

 

斎藤 茂太 精神科医

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私の大好きな言葉です。

 

自分の手柄だけを喜ぶのではなく

関わった方と功を分かち合う

 

そこには素敵なハーモニーが生まれ

相手も自分も豊かな気持ちになれ

花の残り香が漂っています。

 

相手に対して謙虚な気持ちで行うからこそ

その人や周りの人に愛される存在なるのです。

 

主役じゃなくてもいいじゃないですか。

それなら思いっきり

「最優秀助演賞」を狙っちゃいましょう1

 

花を持たせる行為は、

いつか必ずあなたに幸せを運んできてくれます。

 

幸せになれる人は、花をもらう人ではなく、

花を差し上げることができる人なのですね。

 

音譜今日もお読みいただきありがとうございました。 明日もよろしくお願いいたします。音譜