新年を迎えると

 

「明けましておめでとうございます。

今年もよろしくお願いします。」

 

新年の挨拶が

あちらこちらで聞こえてきます。

 

いつもとは違った

ちょっと改まった挨拶

 

一年の初めの

新たな気持ちにふさわしい挨拶ですよね。

 

若い人たちは

 

「あけおめ、ことよろ」

 

なんて、短縮して使っています。

 

挨拶なんだから

ちゃんと言ってよ

 

と言いたいけど

 

まぁ、

長いと言えば長い挨拶だし

 

いつも「よう!」で通じる友だちに

こんな改まった挨拶をするのも照れ臭い

 

という気持ちもわからないでもないので

 

お正月に免じて

 

まっ、いいか。

 

「よろしくお願いします。」

 

とは

いろいろなシチュエーション

使われています。

 

たとえば

初めて会った時の挨拶

自己紹介後の次の人へのバトンタッチの合図

誰かに何かをお願いをする時の常套句

ビジネスメールの締め

など

 

確かに

曖昧と言えば曖昧な挨拶

かもしれませんが

 

これから先、ご迷惑をかけることもありますが

どうかその節はお助けください

 

との謙譲な意が含まれていると思います。

 

英語に訳す場合

この「意を含む」のところ

なかなか伝えにくいですよね。

 

このように

英語に訳せない日本語って

 

たくさんないですか。

 

例えば

 

「いただきます」

 

一番近い英訳としては

“Let‘s eat!”でしょうか?

 

でも

私たちが「いただきます」と

言う時

 

まず、今、食事ができることに

感謝

 

さらに

この食材を作ってくれた方

運んでくれた方

売ってくてた方

 

に感謝

 

この料理を作ってくれた方にも感謝

 

たった

「いただきます」の中にも

 

たくさんの感謝が含まれています。

 

だから

もし、一人で食事をするにしても

 

誰が見ていなくても

 

「いただきます。」

と言って

 

そっと手を合わすことが

できます。

 

いやいや、もう

ただ単に

“Let’eat eat!”(さぁ、食べよう)の世界では

ないですよね。

 

「お疲れ様」

はどうでしょう。

 

一番近い英訳は“Good job!”

かもしれませんが

 

ちょっと違いますよね。

 

あなたのいつもの努力に対しての

 

「労を労う」ための優しさ

伝えたいのであって

 

“Good job!“(よくやった)じゃない!

 

 

そして

 

「ご縁があった(なかった)」


執着なく

現状を受け入れられる心情は

 

奥深すぎて

 

他言語では

とてもとても表しにくいのでは?

 

と思います。

 

 

「ネイティブが感動する英語にない日本語」

の著者

フォーンクル乾治さんは

 

アメリカ人の父と日本人の母の間に生まれ

(両親はどちらも母国語しか話せない)

 

アメリカで生まれ育ち

15歳で日本に移住しました。

 

そして両親の家庭内通訳をするうちに

 

英語では伝えにくい日本語が

たくさんあることに

気がついたそうです。

 

 

私が英会話スクールを経営していた時

 

イギリス人の若い男性に

講師として来てもらっていました。

 

彼は日本のお店で店員さんが使う

 

「いらっしゃいませ!」が

 

やたらと気に入って

 

生徒が来た時に

 

「いらっしゃいまーせー!」

 

と言って

 

生徒にメチャ受けしていたのを

思い出しました。

 

 

日本語の挨拶には

 

「思いやり」「感謝」「ねぎらい」が

たくさんたくさん詰まっていますよね。


誇りに思い

大切にしていきたいです。

 

 

私たちの遠い祖先から伝わってきた

この挨拶と言うものは

いわばお互いの毎日の暮らしの

潤滑油とでもいった

尊い働きを果たしているのである

(松下 幸之助 パナソニック創業者)

 

 

 

音譜今日もお読みいただきありがとうございました。 明日もよろしくお願いいたします。音譜