Facebook Chihiro Sato-Schuhさんの本日投稿より | 盆暮親爺(ぼんぼおやじ)の Bon Bon Voyage
Facebook Chihiro Sato-Schuhさんの本日投稿より

残しておきたかったので、こちらにリブログ致します。

【トランプのときに戦争が起こらなかったわけ】

トランプ政権だったら、ウクライナの戦争は起こらなかっただろうということは、何人もの人が言っていた。実際、トランプが政権を取っていた4年間、新しい戦争は一つもなかった。こんなことは、それまでのオバマ政権でも、その前のブッシュ政権でもクリントン政権でもなかった。アメリカの大統領は、任期中に必ず大きな戦争を始めることになっていたのだ。

ヴォヴァン&レクサスというロシアのいたずら電話グループに引っかかって、トランプ政権下の国防長官であったマーク・エスパーが、ウクライナの元大統領ポロシェンコと話していると思い込んで、暴露していたことがある。彼もまた、トランプだったらウクライナの戦争は起こっていなかった、と言っていた。エスパーとしては、NATOを東へ拡大したかったところだけれど、トランプはそれどころか米軍を引き上げようとしていたのだそうだ。

まったく、実に単純な理由だった。NATOが挑発しなければ、戦争は起こらない。ウクライナの戦争が始まってから、表で言われていることと、現実に起きていることとがどれだけ違うのかを私たちは見せつけられてきたわけだけれど、それを通して、戦争はメディアで言われているような原因で起こっているのではないことを、私たちは知ることになった。実のところは、アメリカ政府が裏でしかけていた偽旗や挑発によって、戦争が引き起こされていたのだ。トランプはその挑発を行わなかった。だから、戦争が起こらなかったのだ。まったく単純に、それだけのことだった。

2021年にバイデン政権に変わってから、夏頃にとつぜんアフガンから米軍が撤退した。だいたいブッシュ政権のときに始まったアフガン戦争のあと、どうしてまだアフガンに米軍がいたのかもよくわからないのだけれど、どういう理由でだか、とにかくそこにいたのだ。そして、アフガンの代わりに、ウクライナに数千人の軍が送られた。

これがすでに、ロシアにとっては大きな挑発だったのだ。東西の壁が崩れたとき、ロシアと西側との間には、NATOをこれ以上東に拡大せず、東欧は中立国とするという合意が交わされていた。それが破られ続け、NATOは東へと拡大していっていた。ウクライナは中立国であるのにもかかわらず、訓練という名目で、NATOはつねに駐留していた。そして、ロシアを仮想敵国として、ウクライナを武装させていたのだ。ウクライナ軍によるウクライナ東部への攻撃は2014年から続いていたけれど、バイデン政権がさらに数千の軍を送り、それが強化されることになった。

ロシアがそれに対して、安全保障協定を結ぶことを提案したのに、これが無視された。そればかりではなく、ドンバスへの攻撃がその後、挑発的に激しくなった。そのためロシアは軍事介入せざるを得なくなった。そして、ドンバスの共和国を正式に独立国として認め、軍事援助の協定に従って、ウクライナに軍を出動させた。

これまでの戦争もそうだったのだけれど、メディアは相手国が侵攻してきたところからしか語らない。どういう挑発を受けて、軍を出すことになったのかは、視聴者に知らせないのだ。それで、まるでとつぜん領土が欲しくなって侵攻してきたかのように報道する。だから、アメリカのどの政権のときに戦争が起こるのかなどは、偶然でしかないように私たちは思ってきた。たまたま起こってしまったから、対応しているのだろうと思っていた。ところが、そうではなかったのだ。戦争が起こるのは、アメリカ政府が密かに挑発していたからだった。

ウクライナの戦争は、2014年の前からアメリカ政府がずっと計画してきたことだったらしい。本当ならば、オバマ政権のあとでヒラリー・クリントンが大統領になって、ウクライナの戦争を起こさせるつもりだったのだろう。それがトランプが政権についてしまったので、アメリカの戦争屋たちは、4年間も待たされたというわけだった。それもあって、何とかしてトランプを政権から追い出そうとしたのかもしれない。バイデン政権になってから、ウクライナの戦争へと、実は着々と計画が進められていっていた。

トランプは、NATOを東欧から引き上げようとしていただけでなく、イラクとシリアからも米軍を撤退させていっていた。韓国からも軍を引き上げるつもりだった。しかし一方では、トランプはかなり戦闘的なこともしていて、そこには大きな矛盾があるように見える。

たとえば彼は、ロシアとの間に1987年に締結された中距離核戦力全廃条約を、2019年2月に一方的に破棄している。この条約によって、ロシアとアメリカが核ミサイルを撤廃させていき、核戦争の脅威が減っていたわけなので、アメリカの条約破棄は、一気に緊張を高めることになった。破棄した理由は、ロシアが巡航ミサイルを開発しているからということで、トランプはロシアを非難していた。NATOを引き上げようとする一方で、この条約破棄は、まるで正反対の方向なように見える。トランプのこうした行動によって、彼もやはり戦争屋の仲間ではないかと言っている人も多い。

しかし、この事態には、どうも裏があるようだ。実のところ、この条約にはトマホークミサイルが含まれていなかった。地上からのミサイルだけが規制されていたので、潜水艦や軍艦からのミサイルには何の制限もないままだったのだ。NATOは、ロシア周辺の海域につねに潜水艦や軍艦を配備していたわけなので、実のところ、この条約はロシアに核ミサイルを持たせないようにするためだけのものだったと言える。それに、この条約が有効だったコソボ戦争のときにも、NATOはセルビアを空爆するのに、劣化ウラン弾を使って土地を放射能汚染させていたわけなので、実際に核兵器の脅威をなくす役にはまったく立っていなかったのだ。

だから、トランプによるこの条約の破棄は、ロシアに対して戦闘的であるように見えて、実のところはNATOの隠れた挑発に対して、ロシアが対応できるように核武装することを可能にしていたということになる。

トランプがイラン核合意から離脱したことも、それに似たものがある。イラン核合意というのは、イランが核開発をやめる代わりに、イランに対する経済制裁をやめるというもので、アメリカだけでなく、いくつもの西側諸国との間で結ばれた。それにより、周辺の国々はイランの核の脅威にさらされることがなくなっていたわけなのだけれど、トランプは、イランが核開発していると非難して、合意から離脱し、イランに最大級の経済制裁をかけるべきだと言った。

しかしその結果、イランが核開発できるようになり、今やイランは世界最高の軍事技術を持っている。そのイランがロシアに武器を輸出して、そのためにロシアはウクライナでのNATOの攻撃に対応できている。そして、まさにそうしたことがあったために、ロシアは西側の経済制裁戦を生き延びて、今やBRICSが米ドル支配を破る勢いになっている。それを考えるならば、イラン核合意の離脱は、実はイランに対する攻撃ではなかったことがわかる。

こうしたことは、アメリカも一枚岩でできているのではなく、いわゆるディープステートと呼ばれる闇組織が世界中で戦争を起こして、アメリカ国民の税金と人命とを犠牲にしているということが見えていないと、見えてこない。この闇組織は、軍需産業と石油の独占で大儲けし、その資金を使って、人々を操作し、さらに戦争を起こしているのだ。そしてアメリカには、この勢力からアメリカを解放しようとする勢力もまた存在する。トランプを担ぎ出してきたのは、そうした人たちだった。

そうした観点から見ると、トランプは言葉通りのことを言っているのではなく、実は大芝居を打っているように思える。実際ディープ・ステートは、どんな手段も使って相手を出し抜くような相手なので、正論を述べていたのでは、とうてい勝ち目はない。平然として大芝居を打てるような人物でなければ、どうにも歯が立たないような相手なのだ。そしてトランプは、そうした組織を相手にして、4年間どこにも新たな戦争を起こさせず、中近東も落ち着かせてしまったというのが事実だ。

トランプの政策には、他にも矛盾しているように思えることがいくつもある。シリアから米軍を撤退させておきながら、油田を守るためにと米軍を残して、しかもアメリカの石油業者に操業させると言っていたという話もそうだ。この石油は、タンクローリーでイラクに運ばれていたというのだけれど、反アサド派のシリア民主軍に送られ、IS掃討のために使っていたと、トランプの報道官は言っていた。何が真相なのかはわからないのだけれど、とにかくこのあと、クルド人問題は解決し、アサド政権はシリアのほとんどの領土を回復し、トルコとシリアとの関係も落ち着いた。トランプは表向きアサド政権に敵対していたのだけれど、結果的にはアサド政権を支援するようなことになったのだ。シリアの戦争も、つまりはディープステートがクルド人やイスラム過激派に武装させて、テロを起こさせることで起きていたわけなので、それをトランプは、テロリストの一掃に限定していたのじゃないかと思う。そして、米軍がシリアに再び空爆を行なったのは、バイデン政権に変わった2021年2月のことだった。

トランプの台湾と中国に対する政策も、一見戦闘的なのだけれど、これも実は目指しているところは別なことだったのかもしれない。台湾についても、多くの人はやはりウクライナと同じことを言っている。トランプが政権についていたら、戦争は起こらない、と。トランプ政権のときに何が起こっていたかを見ていくと、確かにそうなのだろうと思う。戦争が起きるのは、ディープステートが挑発させているからだけなのだ。そこのところが見えていれば、トランプが政権についていなくても、私たちは戦争を起こさせないようにすることもできるのじゃないかと思う。