Happy blue, Weep blue -9ページ目

Happy blue, Weep blue

空 を 泳 い だ



すべて真夜中の恋人たち」 川上未映子



光をみるのがすきで。



きれいだった。なんでもない日常をえがいているふうに見えた、始めは。イメージとしては、いま流されているマウントレーニアのCMみたいな。とても切ない。きれい。純粋な、透明のような、感じ。それを装っているんだ、ほんとうは、って物語の中で言われてしまうのだけど、そうかもしれなくても、そうじゃないと強く訴えたいような、信じたいような気持ちでいっぱいになった。

好きなら、もうそれでいいじゃないのかと強くハッピーエンドを願っていた。嘘をついたからってどうして、と客観的な立場にいるから言える。きっと嘘をつかれた立場だったとしても、それでもいいと思ったし、主人公の冬子も思ったとおもう。

誕生日の真夜中には、きっと来てくれるとおもってた。真夜中を一緒に歩いてくれるとおもった。


現実が思い通りにならないことばかりだから、せめて物語だけはハッピーエンドがいいのに。そういう現実を描いた作品だった。きれいで、さびしかった。最後まで読み終えてからまた冒頭のページを読んだら涙がでた。



なんでもないのに、涙がでるほど、きれいです。



この一文につられる。胸が痛いけど、読んでよかったなあとおもいました。



少しだけ迷路みたいな、複雑な造りなのに、光の差し込む明るい家。白い壁、小さな観葉植物、鏡の大きな洗面所。

絵の具はどこかな。地中海に行ってみたいな。びゅーんって飛行機に乗ったらすぐだよ。困ったことに、言葉が通じないのです。はひふへほ、はひふへほ。絵ばっかり描いてるからだよ。



白い家に引っ越しました。まっしろです。素敵な具合にいびつなの。緑のカーテンを垂らしてる。バルコニーでフルーツジュースを飲んでいたら、ちょうちょが飛んできた。

「ハロー、ちょっとちょうだい」

「はい、どうぞ」

フルーツジュースは虹のしずくになってちょうちょのなかに消えちゃった。あ、この家にはね、ボーダーコリーがいるんだよ。ちょうちょが教えてくれた。口笛を吹いたら、尻尾を振りながら姿を見せてくれた。今日からきみのこと、ブルーって呼ぼうかな。



白い家と、ブルーと、毎日楽しく生きてるわたし、が、ほしい、な。

目を開いた。



ロンドンの高級なホテルに泊まっていた。上の階で夜景を眺めながらしゃぼん玉を吹こうとおもって、エレベーターに乗り込んだ。エレベーターの中にはお金持ちそうな老婦人がいて、英語で何かを話していた。わたしは英語が苦手なはずなのに、何を話しているかわかった。「はやく見たいね」「きっときれいでしょうね」こんなことを話していた。きっと夜景のこと。



だけど上の階には人がたくさんいて、静かに夜景を見られなかった。夜景を見る人のために廊下の明かりはついてなかった。薄暗かった。

もやもやして、やっぱりひとりになりたいとおもって、わたしは自分の部屋に戻ろうとした。エレベーターに乗った。わたしは自分の部屋の階を忘れてしまって、ボタンを押さなかったからそのまま1階のロビーまで下りてしまった。

そこは明るくて、大勢の人がいて、うつむきながら逃げるようにしてエレベーターまで戻った。という夢を見た。たいした夢でもないけどなんかとても印章に残った。





うまくいかないことのほうが多い。クモが一匹、嘲笑うようにわたしを見てた。黒と白を繰り返してる。何から始めればいいんだろう。

心臓にナイフを突き刺してる。ほんとうのことが分からない。心臓にナイフを突き刺されて。ほんとうのことが分からなくなった。

ぽたり、目薬をさしてみる。潤んだ世界はどこか閉塞感に満ちていて、夕日を見て金色で覆った。いなくなったクモのことが気になる。

「お前が悪い」

低い声で嗤ってた。わたしが悪い。そうかもしれないよ、ほんとに。










水たまりみたいな花びら。ふわふわと降っていた雨。なまぬるい風が光ってる。

春を歩いた。










小魚が青空を泳いでいた。聞くだけで話せるようになる、海のことば。はろ、あろは、こんにちは。気持ちいいな、風。

虹の破片は散らばっていたし、花びらは一枚だけ夕日に吸い込まれていったよ。今度はアイスティーの中で泳いでる、透明の小さな魚。



ぐっばい、あろは、さようなら。たくさんの小魚が海に帰っていく。

ばいばい、ばいばい。わたしは船に揺られながら、星をたどって空に帰るの。




今日は江ノ島までドライブした。

しらすどーん!むふふふ







はまぐりも初めて食べたけどおいしかった。









いちごのミルフィーユもすっごいおいしかった








駐車がやっぱりできなかった。練習しなくちゃ。




そこには、びわの木があったの。



浴衣を着て、薄暗い夕暮れの空にわくわくしていた。道路の脇にある細い溝、紺色のお祭り、白いTシャツ。断片的に駆け巡っていく。行こうよ、って言った。走っていった。芝生のにおいがした。



ずっと知っていた。びわって何だろうとおもっていた。でも知っていた。

淡いオレンジの実が、風に揺れている。うすむらさきの風に揺られて、さようならって言ってる。



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桃源郷みたいだった。







今日は妹の大学の入学式に行って来た。桜がきれいだった。どこもかしこも満開で。