10年に一度の割合で訪れるといっても過言ではないくらい馬鹿な夜の過ごし方だった
伝えたいことは二つ
結果的な正解と我が未熟さ
そんな胸が詰まる様な
張り裂ける様な夜を通り越した次の日のことはよく覚えている
翌昼過ぎに日暮里に着いていた
縁も所縁もない地だが、人恋しくなると人混みを感じられるだけで一先ず安堵する
例え老舗の佇まいを備えた卸問屋の雑居ビルであっても通りすがりにレンガの温もりを感じる
僕はいつも1人だ
とても孤独だと思える
そう、普段は億劫にさえ思える町工場にいる中高年の親父との会話にさえ温かみを感じるくらい自分は弱っている
彼らに問われた
『君はこの現場は何回目?』
『内装屋の仕事はどう?』
沈黙を破るだけのさして意図のない取り交わしさえも、今の僕には有り難い
人を感じていられるからだ
もの運びにしても、僕はバケツリレーを推奨したい
その瞬間だけでも人を感じていられるからだ
三時間現場が終わり、1人ぽつりとなった孤独感や寂しさがまたやってくる
僕は1人だ
とても孤独だと思える
ささやかな言葉のやり取りにさえ繊細に感じてしまうんだ
もう昨晩からの夜明けなんて来なくても良いと思ったから
とても幼稚な過ちを犯したと思う
一発一中の夢物語を見ていたのだろう
僕は1人だ
とても孤独だと思える
ゴルゴ13の方がもっと孤独じゃないのか?
きっとそうだと思いたい
漫画の主人公にしか共感を見出だせないくらい
日曜の夕方であるのに、活気のある居酒屋に1人で入ってしまった
案の定、孤独感が増幅される
僕は定食の秋刀魚に箸がつけられずに店を飛び出した
昨夜の彼女の幻影を取り払う方法は二つ
僕は極めて原始的に解決する
また孤独の世界へ向かう為に
9年前僕のそばにいたあの子にも伝えていなかった世界へ