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『正当な理由が無いのに不正受給をもらおうと画策する人間』は『人として乗り越える事が出来ない理由』を探す事に長(た)けた人間である。
彼には障害がありその障害は水戸黄門の印籠。
障害は共感的理解を持って対応すべきだが、それを水戸黄門の印籠として振り回されては、もはや誰も彼に同情などしない。
『同情などしない』それが人間の普通な心理なのだが、印籠を振りかざす彼には、世間の当たり前の心のあり方がすでに見えない。

それで犯罪者予備群にひっくるめられてしまうとしたら、まことに気の毒としかいいようがあるまい。

しかし彼には『弱者を救わない社会が悪いと主張する正義』が残されている。
その正義は『落ちぶれた勇者の剣』だ。
ところが、弱い人間であれば一度この武器を手にしたら怖いものなし、まさに『なんとかに刃物』そのまま。

歌舞伎者武将 前田慶次の有名な台詞(comics)で『生きるだけ生きたら、死ぬのもよかろう』

この言葉には日本人としての覚悟がある。
覚悟のある人間は、自分自身が取り組んで来た事への正しい認識があるから、間違っても自分の生きざまを無様に自虐したりしない。
安土桃山時代の人間の考えが、今の現代社会に通用するはずが無い、等というコメントは戯言である。
それを『引きこもりのたわごと』として見ておくと、社会心理学的知見を増やすには役立つ。
生き抜くための戦地は形を変えて存続している。
生き抜くための体験知は、時代を越えて有効である。
磨き出された強さを求める人は、智慧のスパイスと共に真の優しさを提供出来る。
観念遊戯論者の言う優しさは半紙より薄い。