チキンのメンヒ登山記録①:メンヒに登りたくなった理由 | 海と山、時々きもの

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ダイビング記録+きもの試行錯誤の覚書。…だったはずなのに最近は山歩きの記録簿と化しつつある。
23年秋から山のない国に滞在中のため山歩き頻度は低下中。

自分が最初にメンヒ(4,107m)に興味を持ったのはたぶん1年以上前だと思う。


そのころはまだ、せっかくヨーロッパに来たんだから「ヨーロッパといえばモンブラン」だろうしモンブラン登ってみようかな、でも私のような千年に一度のヘタレチキンに登れるんだろうか、とりあえずなんかめっちゃしんどそうだけど。。。といろいろyoutubeで三山縦走ルートの動画を探して眺めていたら、youtube君が「こんな山もあるで」とお薦めに出してくれたのがMonch(メンヒ)の動画だった。oはドイツ語のウムラウトのo。

サムネイルのこの素敵な稜線に視線が釘付けになった。


こっちはちょっと見てるだけで手汗がすごかった。。。


怖いけど、でもこの青空を登っていくような最後の景色を見てみたい、道中は岩場もあって楽しそう、ここ、登ってみたいな、と思い始めた。

日本語で「メンヒ」と検索すると結構Yamapやyamarecoをはじめ記録が色々と出てくるので割と人の多いルートっぽい。
記録を読んだりyoutubeの色んな記録動画を見てたら、ますます登りたくなった。


まずアプローチが簡単なのが良い。
ユングフラウヨッホまで登山電車でびゅんと上がってそこから取りつきまで40分歩くだけ。

最高だ。

登りは3時間、標高差は600mちょっとというのも体力に自信のない自分には良い。
モンブランの三山縦走ルートは往復の時間の長さ(往復11時間)に尻込みしていたので。

懸垂下降がある(場合が多い)、というのも私の中ではポイント高い。
蓮華岳丸石尾根でできなかった懸垂下降、実践でやってみたい。
ロープもちゃんと日本から持ってきている。

簡単に日帰りでアクセスできてちょっとスリリングな岩場歩きや懸垂下降が出来るって最高なのでは?

と行ってみたい思いがどんどん膨らんでいき、こちらにいる間にここは是非行こう、となった。

山に登る一番の目的はきれいな景色を眺めること。ずっとクライミングで這い上るような登山は好きじゃないけど、ところどころ三点支持で登るような岩場のある山は大好物」という自分の好みにとても合致していた。

メンヒについてはガイド登山は最初から考えなかった。
やっぱり私は一人で登るのが好きだ。

技術も根性もない奴がこんな偉そうなこと言う資格はないのわかっているけど。
こっちでも日本と同じように一人でのんびり登りたい、と思った。


タトランスカロムニツァやモンテペルディドのガイド登山があんまりいい思い出じゃなかったこと、楽しかったシャモニーのガイド協会の講習やツアーもロープでつながれて歩くのは正直好きじゃなかった(安全確保のためなのはわかってます技術もないのにごめんなさい)ことも、「ひとりで登りたい」という思いを強くした。


ただ、一人で行くことに不安もあった。

不安①クレヴァスに落っこちないか
シャモニー周辺の氷河歩きと違って、メンヒ取りつきまでは観光客向けの一般道(?)を歩き最後だけ取りつきに向かって氷河に踏み込むようだけど、そのとりつきまでの安全な道が見つけられるか、ということ。
人気のルートらしいので踏み跡があることに期待するしかないか、と思いつつ、yamapやヤマレコの他人の軌跡を見て、歩いても大丈夫そうなルートに目星をつけた。

不安②クライミングセンスゼロの私がメンヒの岩場を登れるのか
メンヒの岩場は2級ー3級程度、という表示をよく見かけたけど、クライミング経験がほぼない私はその「2級、3級程度」が自分に登れるのかどうかよくわからない。
動画で見ると簡単なような気もするし結構難しそうな気もする。
登りは良いけど下れるのだろうか。
懸垂下降支点は豊富にあるようだけど全部にあるわけじゃないだろう。
一人でこんな岩場を上り下りしたことのない私にルートファインディングがきちんとできて登り降りできるのだろうか、これが一番不安だった(この不安は結局的中した)。

不安③たぶん高所恐怖症の私にメンヒの最後のリッジが渡れるのか
今までの5年程度の登山経験でうすうす感じていたけど、私はたぶん高所恐怖症なんだと思う。

普通の岩場の登り降りとかは別にいいんだけど、両側に何にもない尖ったリッジは足が竦む。
6月のエギーユマルブレの後、あんな短いリッジでガイドに確保されてても足が竦んだのにあのメンヒの頂上手前の長いリッジを命綱なしで歩けるのだろうか、という不安は大きくなった。


ただ、この点はまぁ無理なら引き返せばいいか、とも思った(なので実際引き返したときにも別に悔しくはならなかった)。
山頂にはそんなに拘らない。

リッジ手前から、青空に向かって伸びていく白い道、あれが見られればそれでいい。
そこに行くだけでも十分楽しそう(実際楽しかった)。

不安④懸垂下降の実地経験がない
はるか昔に講習を受けたことはあるけど私には懸垂下降の実地経験がない。
唯一の機会は蓮華岳丸石尾根だったけど、撤退したので結局しないまま今に至る。
いきなり一人で懸垂下降するのは無謀だろうか、と思った。


ただこれはまぁ、なんとかするしかないか、とも思った。
誰にでも何事にも「初めて」はあるわけだし。
takemovieさんの動画を見まくり、行くまでの間に何度も家で風呂場の蛇口を支点に見立てて懸垂下降の練習やロープの捌き方の練習をした(蛇口ごめん)。

色々不安はあったけどできるだけ準備して、「無理はしない」と自分に言い聞かせながらグリンデルワルトに向かった。