ぼくが最初に入った回転すし屋は、新宿にあった元禄寿司だった。
その頃の回転寿司は、注文なんか出来ない。
だから、お客はレーンを凝視。
レーンの出口に離れた所に座ってしまったら、心配でしょうがない。
「おい、その皿のすしは俺が狙ってるダヨ」
「手を出すなよ」
「だから、そのすしは俺の寿司なんだよ」
「ああ、手を出しちゃったよ!」
「なんて、こった!」
男だけの、静かな店内でそんな「会話」が静かに進行。
これが、当時の回転寿司だった。
誰も取ってくれない皿のすしは、静かに干からびていく。
それが、当時の回転寿司だったんだ。