御坂・主稜最後の未踏区間を繋ぐ(精進湖〜三方分山〜女坂峠) | 単独行者の山行録

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歩いた山々の記憶を詳らかに。
山行中心の備忘録。

猛暑日予報の7月31日の公休。
近場の丹沢や箱根なんかは焦熱地獄と化しているのは必至だろうから、そんな日の為に温存しておいた企画を実行に移すことにしよう。
それがやり残していた御坂山地主稜の空白部分(三方分山〜王岳)を繋ぐことだ。
西側の市川大門駅から蛾ヶ岳、三方分山にかけては3年前の晩秋に。
王岳以東の高川山にかけては2016年(王岳〜金山)、2017年(金山〜御坂黒岳〜角研山)、2018年(角研山〜鶴ヶ鳥屋山〜初狩駅、僅かな分岐間の未踏区間は2021年に踏破)、2023年(初狩駅〜高川山〜大月駅)に踏破済。
何故このタイミングかというと、スタート地点の標高が900mと高く、近場の低山に比べれば暑さは和らいでいるだろうと考えてのことだった。

横浜南部から富士五湖へのアクセスと言えば、以前はよく利用した高速バスのレイクライナー。
未だ母の入院による事情で実家暮らしを強いられているので、富士五湖西部の山に公共交通機関でアクセスするとなると、ほぼこれ一択となる。
首尾良く座席の確保はできたものの、いざ当日乗車してみると夏休みの混雑で東名、中央道共に大渋滞。
河口湖駅発のバスに間に合わない可能性を考慮して、車内で急遽代案まで考えた。
刻一刻と迫る現地のバスの時刻に冷や汗をかきながらも3分前ギリギリに河口湖駅に到着し何とか事なきを得るという、朝からヒヤヒヤさせられる目まぐるしい展開だった。
起点の精進湖に着いたのは10:24と登山としては遅めのスタート。
現地のバスの始発が遅いから、こればかりはどうしようもない。(今回はその遅さに救われる格好になったが)
いざバスを下車するなり期待とは裏腹に蒸し暑い大気が身体にまとわりつく。
多少は涼しいだろうと踏んでいたのに、これにはがっかり。
最近の異常な猛暑の前では多少標高が高いくらいでは体感的に無意味だったようだ。
精進湖畔より望む雲隠れの富士山
精進峠への登山口が曲者で、実線コースの筈なのに道標等は一切なく、最初から右往左往させられる羽目に。
地図を見ながら民宿や別荘が立ち並ぶ集落の奥まで進むとピンクテープに踏み跡を発見。
のっけから急登なうえ風も凪いでいたものだから、スタート早々に滝のような汗。
そんな登り一辺倒の長い急登で稜線まで一気に標高を稼いでいく。
登ってきた急坂を見下ろす
暑い中の急坂に若干ヘロヘロになりながらも精進峠に到達。
左手の3年前パノラマ台方面から来た道を分けて右手三方分山方面へ。
前回も立ち寄った登山道脇の露岩より望む精進湖と子持ち富士
左手にはこれから登る三方分山の前衛峰的な精進山
露岩の展望所から更に急登をひと登りしたところで精進山に到達。
当初はこの山の存在を忘れていて登りきった地点が三方分山だと思い込んでいたから、少し落胆させられた。
キクラゲみたいで普通に美味しそう
精進山から緩やかに稜線を進んだところで三方分山(1,422m)に登頂。
今日は先着者は誰もおらず、静かで落ち着く山頂だった。
山頂の展望は富士山方面の一角のみ。
その富士山も今日はやっぱり雲隠れ。

三方分山からは以前進んだ四尾連湖方面へのコースを分けて王岳方面へ。
ここからが今日の本題となる未踏区間歩き。
先ずは女坂峠へとぐんとせっかく稼いだ標高を吐き出していく。
途中この日初めて人とすれ違い。
祖父母とお孫ちゃんと思われるパーティで、保護者双方の柔和な挨拶と女の子の快活な挨拶が印象的だった。
12:11女坂峠に到達。