遠征2日目の3月3日。
この日は磐越東線沿いの阿武隈山地最高峰にして三百名山の大滝根山かスリリングな岩場があるという山名も美しい二ツ箭山のどちらかに登ろうと計画していた。
登山後に安積永盛を経由し東北本線で南下して宇都宮辺りで一泊。
最終日は栃木県の山に登るつもりが、2日目にして既に困憊気味。
旅を始める前から3日間長距離移動と山登りをするのは体力的に厳しいと何となく思っていたけど、予感は的中。
やっぱり最終日の3日目は翌日の仕事に備えてゆっくり休むこととして、今日はいわきから程近い予てから気になっていた二ツ箭山をサクッと登って本日中に帰ることにしましたw
いわき駅を出発する郡山行きの始発電車は6:42と遅めの時刻。
比較的のんびりと準備をしてネカフェを出発した。
薄明の薄ら寒いいわきの街は休日ということもあり未だ人は疎ら。
余裕をもって始発電車に乗車した。
いわき駅を出発して10分も経たずして目的の二ツ箭山が見えてきた。
全く馴染みの無いエリアで山容も凡庸だけれど、男体山と女体山の出っ張りの特徴を見てあれが二ツ箭山だと直ぐに判った。
小川郷駅の過疎路線の地獄ダイヤ。
ちゃんと考えて行動しないと酷い目に遭いそうだ・・・
小川郷駅の駅舎
初見だと駅とは思わずに通り過ぎてしまいそう。
川の向こうに見える二ツ箭山までは目測でもまだまだ。
なんせ、登山口までは片道約4kmのロード歩きなのだ。
都合往復8km歩かなければならないけど、二ツ箭山自体1,000mにも満たない低山なので、単体で登る分には丁度良い。
約50分程で二ツ箭山登山口の駐車場に到達。
目を引く立派な看板にトイレ、広い駐車場などからも人気がある隠れた名山であることが伺える。
駐車場から更に進むこと7分、二ツ箭山登山口に到達。
せっかくスリリングだという二ツ箭山に来たのだから、尾根コースを行こう。
誰だ、こんな芸術的に石を組み上げた猛者は。
こっちはもっとすごい。
立体的な建物と架け橋(?)
芸術点+100
別の角度から
ってか、これ組み上げた人、わざわざ山に何しに来てん(笑)
沢コースと合流。
あの芸術作品以外特に見所が無かったから、沢コースにしておけば良かったかなぁ。
〆縄場から俄に始まる急登。
ここからが山登りの本番だ。
挨拶程度の最初の一枚岩の鎖場
特徴としては奥武蔵の伊豆ヶ岳のような感じ。
上から。画像ほど急ではない。
美味しい水場でひと息。
道は再び分かれ、尾根コースを選択。
岩場の登降はあるけれど、思っていたほどのものではない。
二ツ箭山の実力、この程度?
大岩が点在する尾根コース
この後道は再び分かれ、尾根コースと鎖場の選択。
勿論この山の醍醐味でもある鎖場を選ばない訳にはいかないでしょう。
そして、それは突然やって来た。
・・・あれ?思っていた以上に長くない?
高所が苦手な私には鎖場を登る最中写真を撮る余裕など全く無かった。
鎖もあるし、ホールドは十分。
それなのに、白状するとめちゃめちゃ怖かった。
元々高度感がある場所は苦手な上に最近は生温い山行ばかりだから、ちょっと感覚が鈍っちゃったのかな。
上から。私には下りは絶対無理!
攀じ登った地点は丁度男体山と女体山の鞍部で二ツ箭山本峰は女体山方面。
せっかくだから男体山にも登る予定だったけど、既に精神的に大分きているビビりな私。
男体山はスルーしてさっさと本峰を目指そう!
女体山の鎖場も技術的には決して難しくはない・・・のだけど、高所恐怖症には精神的ダメージは小さくない。
右側は先程の鎖場と併せて数十メートル切れ落ちてるからね。
万が一滑って落ちたら···等と余計な心配をしてしまう自分の体たらくに自嘲的になってしまう。
巨大な岩峰だけあって、女体山からの展望は抜群。
南側には太平洋に湯ノ岳や水石山といった磐城の低山
正面にはビビって登るのを諦めたお隣の男体山。
北西には阿武隈山地最高峰の大滝根山(どれかは判らん)
条件が良ければ安達太良山や吾妻連峰も見えるみたい。
女体山の山頂標識
女体山の大岩に登ると更に展望は開け太平洋を望む南側の展望に加えて
眼下に男体山を配した遮るものが無い西側の大展望
北西をズームイン。
肉眼ではほんの微かに雪山が見えたけど、あれが吾妻連峰だったのかな。
北側には尾根続きに連なる屹兎屋山や猫鳴山。
この後あれらを縦走します。(え?)
東側には足尾山と二ツ箭山本峰。
前者は気付かずに巻いていた。
西側、那須連峰の遠景を拡大。
大展望の女体山を離れるのは惜しいけど、先へ進むとしよう。
女体山から二ツ箭山本峰への下りももれなく鎖場。
こちらは短い上に高度感も無いので、私には助かります(笑)
少彦名の巨岩と祠
胎内くぐりの抱岩。
岩場を売りにした山ではよくあるやつ。
9:43二ツ箭山(710m)到達。(山頂標識だけの写真を撮り忘れた)
無事に登頂できたけど···何だろう、この敗北感は。
今まで山登りに敗退もクソも無いと思っていたけど、清々しいほどの敗北感を感じたのは大佐飛山を目前にして撤退した山行以来だろうか。