九重・火山群の壮観と緑深き大船山(稲星山〜中岳〜坊ガツル | 単独行者の山行録

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歩いた山々の記憶を詳らかに。
山行中心の備忘録。


稲星山から望む大船山と平治岳
稲星山から鞍部へと下って次に最高峰の中岳へ。
久住山から稲星山へのアップダウンと同様に稲星山から中岳へのアップダウンも中々強烈。
九重の主要な山々を全部登ってやろうという意気に翳りが見え始める。
中岳への登りより稲星山を振り返る。
久住山と天狗ヶ城の間に扇ヶ鼻
東千里ヶ浜と歩いてきた稜線の向こうに望む阿蘇の山々
13:10中岳(1,791m)到着。
九州本土の最高峰にも関わらず、なんて地味な山名だろう。
あちらは明日登る予定の平治岳(左)と大船山(右)。
九重連山の久住山系とは対照的に大船山系は木々で黒く覆われているのが印象的だ。
左奥には由布岳や鶴見岳の遠景も。
三俣山と大船山系の間に本日の幕営地の坊ガツル湿原。
既にテントが数張張られているのが見える。
星生山と涌蓋山や万年山、英彦山の遠景。
中岳と稲星山を振り返る
御池と久住山
中岳から僅か10分程で13:24天狗ヶ城(1,780m)到着。
正面には星生山や涌蓋山が見える。
御池の畔にて。
小さな羽虫が沢山浮いていて、お世辞にも綺麗とは言えなかった。
火口跡の空池と久住山
久住山→稲星山→中岳→天狗ヶ城と回って久住別れへと戻る。
体力温存のため一番楽な牧ノ戸峠からの行程にしたにも関わらず、既にヘトヘトで今すぐにでもテントに潜り込みたいところ。
次に登る予定の星生山は···遠回りになるので止め!
久住別れからは坊ガツルを目指して荒涼とした火山風景の北千里ヶ浜へと下っていく。
来た道を振り返る
巨岩群の荒々しい風景
広大な北千里ヶ浜
今なお火山活動を続ける硫黄山

累々と積み重なる巨岩
三俣山の分岐に到着したものの、見ての通り見上げる程のかなり厳しそうな高低差。
体力は少しずつ回復しつつあったけど···止めておきますw

行く手には鬱蒼とした大船山。
同じ九重山系にあって、かなり性質を異にするところが興味深い。
硫黄山と星生山を振り返る
三俣山の山腹の岩石に疎らに映えるミヤマキリシマ。
前日の鶴見岳や由布岳の開花状況を見て期待はしていたものの、やっぱり早すぎたようだった。
眼下に広がる坊ガツルへと下っていく。
坊ガツル湿原と黒々とした樹林に覆われた平治岳と大船山。
国指定天然記念物「大船山のミヤマキリシマ群落」として、ミヤマキリシマの最盛期には両山共にピンク色に染まり上がるという。
今回は度外視していたとは言え、やっぱり見たかったなぁ。
建物が見えてきたら、法華院温泉山荘まで間もなく。
15:03法華院温泉山荘に到着。
お土産や喫茶、自動販売機まで完備した広々として利便性の高い温泉宿だ。
せっかくなので熱々の手作り芋饅頭とジュースを購入して一息ついてから幕営地の坊ガツルへと向かった。
法華院温泉山荘から望む平治岳と大船山。
右手に進むと有料のテン場があるけど、良心的な300円。(坊ガツルに至ってはなんと無料!)
社会情勢を口実に7倍近い金を詐取するアルプスや八ヶ岳の小屋はマジで見習え!
テントを担げなくなったら再訪の暁に泊まってみたい。

坊ガツルの幕営地は山荘の目と鼻の先。
食糧や備品が不足しても直ぐに買い足しに行くことが可能。
広闊な坊ガツル湿原を行く
テン場に到着。
周囲には白口岳や中岳周辺の山々や
正面に大きく擡げる三俣山、
樹木に覆われた大船山等の山々が四方を囲む最高のロケーション。
今回九重の山々を訪れた一番の目的はここ坊ガツルでのテント泊だった。
噂に違わぬ広々(ってか広すぎ!)として絶景に囲まれた坊ガツルの野営場は想像以上に素晴らしく、わざわざテントを担いで遥々やって来た 甲斐があったというものだ。
ソーシャルディスタンスも完璧!
天然の芝生で地面はフカフカ、ペグの刺さりも十分。
近くにトイレ(汲取式で使用時に悪臭でガチで吐きそうになったけど)や水場を兼ねた炊事場も完備。
他のテントとの距離も十分過ぎて会話や騒音も全く気にならず、他に人がいるから安心感もある。(先日の闇テン時の野生動物の騒音や緊張感による不眠とは無縁だった)
そんな至れり尽くせりのテン場が何とタダ。
もうね、九州に住んでいたら毎週末訪れたいところです。
落日後の平治岳と大船山。
普段は居心地が悪いテント泊だけど、この日は快適に過ごすことができた。