旧年は箱根湯本から夜通し歩き、明神ヶ岳にて初日の出を、麓の最乗寺で初詣をセットで行った。
明神ヶ岳は確かに展望もいいし、初詣もセットで出来るので好条件なのだが・・・
一人や二人ならまだ良いが、箱根の山らしく人が多すぎた。
それに別の場所で拝みたいという欲求もあったので、今迄の旅を振り返ったり所持している地図を調べて選定を行った。
ふと自身の過去の記事を適当に読み飛ばしていたとき、一つの記事で目が止まる。
一昨年歩いた西伊豆稜線歩道の宇久須峠だ。
急な階段を登りきった先に東から西にかけて広大な展望が広がり感動したのを思い出す。
あのコースは全く人に出会うことなく人気がなかったので一人静かな落日と初日の出を楽しめるだろう。
宇久須には四阿やテントを張れる程度の広場もあった筈だ。
それだけではない、31日朝から登れば一昨年途中で挫折(日帰りでは無理がありすぎた)した未踏部分も踏破でき、一昨年の西伊豆稜線、昨年2月の天城縦走と併せて伊豆半島の山脈の制覇も実現できる。
寺社も温泉も挙げたらきりがないほど沢山あるし完璧だね!
かくして、天城峠以西のハイキングと年越し計画が実行に移された・・・。
2016年12/31
早朝4時30分に起床、コンビニに寄ったあと、5時台の電車に乗車し、大船で沼津まで直通の東海道線に乗り三島駅で下車。
丁度根府川駅に停まっている時に地平線の向こうから2016年最後の日が昇る。
大海原に光の筋が伸び、朝から感動。
隣に立っていた二人組の女の子も思わずスマホで撮りまくってた。
ただ、テン泊装備の大きなザックのせいで座席に余裕がなく、大船-三島間の長い距離を立たざるを得なかったので目的地に着く前にかなりの体力を浪費してしまった。
三島駅を降り、伊豆箱根鉄道に乗り換え。
こちらは周囲の乗客の邪魔にならない程度に座席が空いていたので遠慮なく座る。
田園風景と山稜、遠く愛鷹山で下部が少し隠れた富士山を眺めながら終点の修善寺駅へ。
修善寺駅を降り、8:15発の河津駅行きに乗車。
何と修善寺駅から下車先の天城峠まで乗客は私一人だけだった。
だから地方の交通事情が悪化するのだ。
もっともっと地方の交通機関を使ってもらいたいものだ。
じゃないとわたsじゃなくてお年寄りや障害者の方が困る。
バスはどんどん標高を稼ぎ、多分既に標高600mはある登山口と新天城トンネルがある天城峠BSに9:02到着。
乗客がいなくなったバスを見送り、軽くストレッチを行う。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20170102/23/pleasure-hby/12/c0/j/o0960054013836472616.jpg?caw=800)
新天城トンネル(奥)
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20170102/23/pleasure-hby/15/e1/j/o0960054013836472644.jpg?caw=800)
天城峠バス停
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20170102/23/pleasure-hby/83/f8/j/o0960054013836472669.jpg?caw=800)
天城隧道の歴史を伝える石碑
ストレッチを終え、バス停横の階段を登る。
登り始めて数分歩いたその時、駈け足と共に左手崖の上から目と鼻の先に複数の落石が。
すると目の前を鹿の親子が駆けて横断していった。
危うく鹿に殺されるところだった。(笑)
一年の終わりに鹿に落石を受け死亡なんて記事になったら恥ずかしくて死にきれない。(笑)
鹿の落石攻撃に肝を冷したあと、石段を登り旧天城隧道に到着。
まだあまり登ってないのに階段ばかりで既に息があがる。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20170102/23/pleasure-hby/b6/2c/j/o0960054013836472687.jpg?caw=800)
天城隧道
明治竣工とあって歴史を感じさせる。
隧道横の登山道へ入り、九十九折状に登山道を登っていくと、稜線上の天城峠に9:35到着。
冬枯れした木々の間から木漏れ日が注ぐ気持ちの良い峠だ。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20170102/23/pleasure-hby/6c/0c/j/o0960054013836472709.jpg?caw=800)
天城峠
峠を右手仁科峠方面へ進む。
ちなみに、左手東側へ進むと八丁池を経て万三郎岳、万二郎岳へと続く。
平坦な自然林の中の登山道を進んでいき、途中から北側を巻いていく。
降水量の多い天城山だけあって苔やシダが青々として綺麗です。
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天然林の中の登山道
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20170102/23/pleasure-hby/5e/cb/j/o0960054013836472764.jpg?caw=800)
数種類の苔植物が覆う
暫く歩いてもまだまだ平坦な巻き道が続きます。
所々に崩落箇所があるが規模は小さいので特に問題なし。1ヶ所を除いては。
途中で山々の向こうに雲隠れした富士山が望めました。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20170102/23/pleasure-hby/42/2e/j/o0960054013836472781.jpg?caw=800)
天城の山々と富士山
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崩落箇所
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20170102/23/pleasure-hby/14/ce/j/o0540096013836472818.jpg?caw=800)
樹を覆う苔植物
途中に深さ1m強はある溝状の崩落箇所があり、足場も悪くほんの少し手間取った。
ただ、崖側の傾斜は大したことないので落ちても打ち所が悪くない限り死の危険は無い。多分。
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溝状の崩落箇所
途中で数回橋を渡る。
慎重に進むが、それでも落ち葉と凍結で滑る滑る。
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随所に架かる橋
暫く歩き10:13、古峠に到達。
後から調べたことだが、天城峠が出来る前の二本杉峠(旧天城峠)よりも昔に使われていた峠らしい。
ということは旧々天城峠といったところか。
天城山脈の山々は随所に歴史や文学、郷土について書かれた看板があり、それらを感じながら歩くのも面白い。
他の山ではあまり出来ない楽しみ方だ。
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古峠
古峠を過ぎてもまだまだ道は稜線北側を巻く道で平坦だ。
何て優しい登山道だろう、距離に比べてCTが短いのも分かる。
相変わらず苔植物や登山道を横切る沢の水が美しい。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20170102/23/pleasure-hby/c4/c6/j/o0540096013836472904.jpg?caw=800)
小さな穴から湧き出る水
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20170102/23/pleasure-hby/f5/21/j/o0540096013836472935.jpg?caw=800)
登山道を横切る沢
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登山道脇の苔植物
平坦な巻き道に飽き飽きしてきた頃、二本杉峠に10:38到着。
四阿と歴史の偉人たちが嘗てここを越えたことを記す説明板がある。
読んでみたけど中々興味深い。
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二本杉峠(旧天城峠)
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20170103/12/pleasure-hby/8f/44/j/o0960054013836766123.jpg?caw=800)
二本杉峠の歴史
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20170103/12/pleasure-hby/32/5d/j/o0960054013836766131.jpg?caw=800)
二本杉峠の看板
二本杉峠を過ぎると今度は南海側を巻いていく。
まだまだ道は平坦だが、日が差し込んで明るく心地よい。
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明るい登山道を進み、滑沢峠11:02到達。
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滑沢峠道標
道は再び北内陸側を巻いて行く。
直ぐに倒木が道を塞ぐ箇所へ。
テン泊装備の大きなザックで倒木を潜るのはかなりしんどい。
腰を完全に落としたうんこ座りの状態で進まねばならないのだ。
跨ぐことも容易に潜ることも出来ないこういう倒木が一番厄介だ。
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倒木が道を阻む
倒木を過ぎるとややザレたトラバース。
手前の看板には落石があるから立ち止まらず進めとあったので早足で通過した。
そしてついに久々の登りが現れた。
しかも嫌な階段だ。
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やっと出てきた登り道
急な階段を息絶え絶え登るとかなり緩い傾斜の広い稜線へ。
標高も1,000mを越え、積雪が出てきた。
この辺りは広くて樹林の中なのでテントを張るには非常に良さげ。
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明瞭なトレース
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広い広い開けた稜線
開放的な稜線を進み、11:33三蓋山(1,013m)に到達。
眺望は木々でないが、広いので幕営には最適。
起伏は殆ど無かったが、そこそこの距離を歩いたので少し疲れました。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20170103/12/pleasure-hby/f4/a1/j/o0960054013836766233.jpg?caw=800)
三蓋山頂標識