トミー「ロマンチックな場所でしょ?」
ルッツ「うん。でも、どうしたんだよ。急にこんなとこ連れてきて」
トミー「へへ、それはねー」
トミー「ルスティヒ、僕のはんりょになってください!」
トミー「伝わってる?ケッコンしてくださいって意味だよ!」
ルッツ「…どうしたんだよこの指輪」
トミー「買ったんだよ」
ルッツ「どっからそんな金が…トミー、お前働いてないだろう?」
トミー「ちょっと仕事したんだ」
ルッツ「なんの仕事だよ」
トミー「…なんか知らないシムに言われて」
トミー「ナイトクラブの前で番犬みたいなことしたら、いっぱいお金もらえて、それで買った…」
ルッツ「…お前、オレの話聞いてなかったのか?」
「結婚の話は忘れろって言ったよな!なに勝手なことしてんだよ!?」
「どこのシムがお前にそんな仕事頼んだんだか知らねえけど、間違いなくそいつは犯罪組織に関わってるシムだ。金やるって言われてホイホイ着いてって、最後にどんな目に遭わされるか考える頭もねえほどバカなのかよ!?」
トミー「ルッツが喜んでくれるかと思って…」
ルッツ「こんなんで喜べるわけねーだろ!!」
ルッツ「二度とこんなことすんな!!あと、もう1回言っとくけど結婚の話は忘れろ!!いいな!!」
トミー「ルッツ〜…」
レイヴン「あ〜流石に外で水浴びはさみーわ」
レイヴン「どったの?」
トミー「ルッツにおこられた…」
トミー「俺がバカだから…もう俺のこと嫌いになったかも、つがいじゃないって言われるかも」
レイヴン「つがいじゃないも何も、ウェアウルフとノーマルシムはつがいになれねーだろ」
トミー「なれるもん!!」
トミー「レイヴンが言ったんじゃん!!運命のつがいを見つけたらひとりぼっちじゃなくなるって!俺のつがいはルッツなの!」
レイヴン「じゃあなんで嫌われるようなことしたんだよ」
トミー「嫌われるってわかんなかったの!!俺バカだから!!」
レイヴン「俺たちウェアウルフと普通のシムは生き方とか感性が全く違うんだよ」
レイヴン「俺たちにとっての常識はあっちにとって非常識だし、あっちの常識は俺たちにとって非常識だったりするじゃん」
「だから難しいんだよ、種族が違う相手を好きになるのは…」
トミー「でも俺、ルッツじゃないと嫌だ」
別に
「ひとりぼっち」でも構わない
運命の相手や自分を大切にしてくれる母親がいなくたって構わない
でも自分と同じ「ひとりぼっち」がこの世界にいると知ってから
君がそばにいないと、生きていける気がしない。
トミー「ルッツ〜…」
トミー「なにしてるの?」
ルッツ「魚見てた」
ルッツ「食えるのかなと思って…」
トミー「ルッツ、ごめんね。もうケッコンの話しない。あと、指輪も返してくる。お金は…ちょっと難しいけど…名前聞くのも忘れたし…」
ルッツ「いいよ、もう。オレが変なこと言ったから危ない仕事したんだよな、オレの方こそごめん」
ルッツ「…お前が危ないことに巻き込まれるの、嫌なんだよ」
ルッツ「トミーはバ…ちょっと世間知らずだし、他人を疑わないから利用されやすいだろ。心配なんだよ」
トミー「ルッツは俺よりずっと危ない仕事してるじゃん。俺もルッツのこと心配だよ」
ルッツ「オレは自分で選んだ仕事だからこれでいいんだよ。トミーは優しくていい奴だろ。悪い奴らに利用されて欲しくない」
トミー「ルッツの方が優しくていい奴だよー。ルッツ大好き!」
トミー「ケッコンも指輪もなくても、ずっと一緒にいてくれる?」
ルッツ「当たり前だろ」
ルッツ「そういえばさ、オオカミは『つがいの誓い』をするって言ってたじゃん。どうやんの?」
トミー「そこ座って」
トミー「こーやって小指どうしを絡ませるの」
ルッツ「指切り?」
トミー「これが俺のしるし。俺がルッツにしるしをつけたから、ルッツは一生俺のつがい。これが『つがいの誓い』」
ルッツ「こっちの方が指輪や結婚よりずっといいじゃん」
トミー「ほんと?」
ルッツ「オレはこっちの方が好き」
トミー「ルッツーーーーー!!!」
ルッツ「勘弁してくれ〜お前に付き合ってたら体もたねえよ」
トミー「ルッツ、大好きだよ。ずっと俺と一緒にいてね」
ルッツ「おう」
もしこれから先何かあって離れ離れになったとしても
きっとまたひとりぼっちの君を見つけられる。
俺には君の「狼の印」が見えるから。
おわり