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Pleasant Designのブログ

広島を中心として、周辺環境の自然を利用し、
科学的に分析して、快適な住まいをご提案します。
ファイナンシャルプランナーとして、
イニシャルコストだけではなく、ランニングコストも
トータルで本当は何が大切なのかをご提案します。

最近、省エネの講師のお仕事が増えました。

私ごときがという思いで一杯ですが、2020年の省エネ義務化への一つの流れだと思います。

ただ独立してから気づいたのですが、実は「省エネ」「高気密高断熱」という言葉にアレルギーを持っている建築実務者が結構います。

これは地方に行けばいくほど、多い気がします。
広島も例外ではありません。

「わしのつくる家は思ったより、寒くないんよ!」
「高気密なんかにしたら、息がつまる!」
「断熱材を天井にいれたら、ネズミの寝床になる!」
「冬は寒くて当たり前!」

これらは私が実際に聞いた言葉です。

彼らはおそらく、省エネや高気密高断熱という知識が20年前で止まってます。

最初に高気密高断熱住宅の考えが日本に入った時、夏高温多湿な日本では、さまざまな弊害が生じました。
結露などかその一つですが、それにより高気密高断熱は日本に合わないとなり、そこからはただ否定するのみで、新しい知識を受け付けなくなりました。

先ほど書いた
「断熱材を天井にいれたら、ネズミの寝床になる!」
は、広島の県北の家を作られた大工さんの言葉ですが、この家は壁床にしっかり断熱がしてあり、窓もペアガラスです。ネズミという理由だけで、天井だけ断熱が入ってませんでした。
これは調理に例えると鍋の蓋をせず、煮物をしている状態です。私に言わせれば、だったら断熱材すべて入れるな!という感じですが、本気でそう考えてる建築実務者がいるのです。

もちろん天井にマット状の断熱材を入れるとネズミの巣になることは事実なのでしょうが、だから断熱材を入れないという理屈は本来の目的を完全に捨ててます。
ネズミが入らないようにどういった材料、施工方法を選択する、つまり知識が必要です。

これは高気密高断熱の結露も同じ話です。
デメリットだけを見て学ぶことをやめてしまった人達のかたわらで、失敗と成功を繰り返して、知識と経験を積み重ねてきた人たちがいます。

省エネや高気密高断熱を否定するなら、まずその人たちに敬意を払い、学んだ上で意見すべきと思います。
建築に関わらず、学ぶことをやめると、人の成長はありません。

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この写真は広島のある場所で1月に撮影した、築40年ほどの住宅です。エネルギーが溢れ出てる、いや漏れているのがお分かり頂けると思います。

この写真を見て、省エネが必要ないというなら、ちょっと神経を疑います。
こういった家は広島の県北部でたくさんあり、その町の平均年収が230万円というなかで、年間35万円以上の光熱費を払ってます。これをなんとかしないといけません。

ところで、タイトルのエコハウスって何?ですが、最近自問自答しています。
あまりに省エネが注目されてますが、違和感があります。本来「エコ」の構成は省エネだけではないはずです。地域材活用、生活スタイル、地域参加の町規模のエコなどさまざまです。

特に木造では外材を構造材につかって、「エコ」と言われても、何か違う気がします。

早く車と同じように、環境性能は当たり前になって、その上で建築という軸を新たに評価される時代になってほしいものです。