降り積もった雪、歩くたびにギュッギュッてなる。久々の雪の感触が堪らなく…いい。俺はやっぱり雪が好きなんだ。TAXIに乗るなり運ちゃんが話し掛けてきた

「お客さん、どちらから?お仕事で?」

「いえ…家族旅行の後追いで…東京から」

運ちゃんはこれでもかってくらい終始話し掛けてきた。政治の話から不況の話になり、男鹿市の観光産業について…

「いつもならもうちょっとスピード出せるんだけど、なんせこの大雪だから路面ツルッツルで…」
(↑秋田訛りで)

ホテルどころか民家すら見当たらない道…

「お客さんアイスバーンってわかる?初めてでしょ?」

「あ、岩手生まれなもんで…」

「……ぁそぉ」

哀しそうな声を出すな~!

「ホテルまでけっこうかかりますかね?」

「う~ん…」

「10kmくらいですか?」

「う~ん…それくらいですかね?」

何故俺が運転手を気遣ってるんだろう…?

「あれ?お客さん、○○○ホテルでしたっけ?」

「?…そーですよ」

「□□□ホテルじゃなくて○○○ホテルね!」

「あ、はい…一応確認しますけど。。」

□□□ホテルって何だ?何の話だ?兄貴のメールを確認したが○○○ホテルで間違いはない。

「○○○ホテルです」

「そうだよね、□□□ホテルは今閉鎖中だから…」

じゃあナゼ言った?!俺は一言も□□□ホテルの話はしていない!!

「給付金ねぇ…」

無理して間を埋めなくていいから…ちゃんと前見て運転して。。

「あ!…お客さん!」

イキナリなんだ?どーした?!

「あそこの角曲がるとキャバレーありますんで!」

キャバレー…家族旅行だっつの!

「はい、○○○ホテル着きました~」

30分は運ちゃんと話してたな…いや、話かけられてたな。。

「ここの奥行くと□□□ホテルがあるの」

……。閉鎖中なんだべ?行ってどーすんだよ。。領収書くださ~い。東京の家出てから8時間かかった…

8時間?!

長っ!まぁ一人旅には慣れてるからねぇ。TAXIからホテルの入口までは数メートルしかないのだが、その間にもの凄い強風に煽られた。北国特有の二枚扉(←そーでもない?)を抜けてほんのり暖かいロビーに入った。

お、ナマハゲがいる!

兄貴の指令メールによると…この時間は食事中らしく、まず部屋に案内してもらって着替えてからからみんながいる食事処に登場しろとのこと。フロントに話は通ってるらしい。

「すいませ~ん、最後の佐々木ですけど…」

続く。