●奇跡の山、ミツバ岳! | かものはしの中途半端な日々

かものはしの中途半端な日々

山登りと四駆とバイク、人生後半、あいかわらず中途半端にすごしている日々の記録です。

(これまでのあらすじ)

相模の国に残された最後の秘境「すもうじゃないよ、「さがみ」!)、
世附山塊…
その深奥に位置する聖なる山、それは「ミツバ岳」…

これは、神々の暮らす聖地に彷徨いこんだ登山者が目の当たりにする奇跡の物語です。



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 第一章 覚醒 

「汝、黄泉の国への結界を越える覚悟はできたのか!?

実はこの時すでに、うっすらと気づいていました。

もう、後戻りはできないということを…
わたしとN氏は、押し黙ってしまったのですが、その手を休めることなく、乗ってきた車を封印します。

これは、2つの世界を繋ぐ扉を探してまわる邪悪な獣たちの目を欺くためでもあるのです。

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後世のために…
いや現世に生きる者たちのためにこそ、いま一度、この禁断の地を確認しておきましょう。

丹沢湖西岸の急峻な尾根を越えた先に広がる、広大な原始の森…
ただ、ご覧の精緻な地図においてさえ、その全容は、はっきりとは記されておりません。
感じますか?
神々の息づかいを…



わたしたちは、装備の最終確認をします。
(ゴミ拾いではありません!)


N氏がチェックしているのは、GPS!
地磁気の影響か、方位磁針がまったく役に立たないこの山では、まさに命綱!

物欲に負けて買ったはいいけど、使い方がよく分かっていないようです。
(「地図見た方が、早いじゃん!とは言えませんね…)


「右だ! いや左だ!」
ほとんど道がない斜面を、ぶつぶつ言いながら登ること一時間ちょっと、

「ミツバ岳山頂に到着です!

  
ヤブ山じゃありませんよ!

聖地!!


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その後、わたしたちの姿を見たという話は、とんと聞かないようです…
いや覚えている者さえいないのでは?
麓の集落に暮らす村人たちも、この事件については、今も固く口を閉ざしたままです。

すみません。
わたしが、この世界から話せるのは、これが限界…


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えっ、もう終わり!?

なんか、飽きたっていうかぁ、めんどくさくなってきたんだよ!
わるい?



■ エピローグ 


で、道がすいてれば、一時間ちょっとで家へ帰れるのですが、そこは大人の山登り!
信玄の隠し湯と名高い中川温泉にあえて一泊!!
疲れた体と心を癒します。

まだ、ずいぶんと陽が高いですが、私たちは何しに来たんでしょうか…



言わずもがなですね。




無心になって川面を眺める、凛としたN氏の姿が印象的でした。

(ビール飲んでぼんやりしている訳では、決してありません)



そう、時は2014年、晩秋の西丹沢に起きた小さな奇跡の物語です…


~ おわり ~