(前回までのあらすじ)
冬枯れのある日、神々の宿る聖なる山へ登ったわたしたちを襲ったのは、身の毛もよだつ戦慄の出来事の数々だった…
---
さて、前回、エクトプラズムを吐きながら首のとんだ同行者が、山里の一軒宿に吸い込まれれて行きます…
「ひ~ひっひっ…、ようこそおいでくださいました…」
伏目がちな仲居さんに導かれ、わたしたちは金縛りにあったように宿の奥の一室へと向かいます。
「あっ…!?」
今は開かずの扉となって久しいであろう電話室の中に、確かに黒い影が見えたのですが、虚ろな眼差しの同行者は気づきません。
「フフフフフ…」
キーコッ…、キーコッ…
薄暗い廊下には、ちゃんちゃんこを着たおかっぱ頭の幼子の笑い声が響き、
シャイニングのごとく、小さな車にまたがって廊下を駆け去ります…
「ん…!?」
「これは…!?」
ギャー!!!
ウリ坊が…、ウリ坊が…
かわいいぬいぐるみとのコラボに危うく騙されるところでしたが、これはまさにリアルウリ坊の屍!
「し~、しっしっ…、こちらでお休みください…」
そう、ここは「猪の宿」…
いたたまれなくなったわたしたちは、強アルカリ泉の露天風呂へと逃げ込みます。
しかし、つかの間の安息の一時は瞬く間に過ぎ去ります…
のぼせあがって部屋に戻ると、見たこともない料理の数々が並んでいます。
「これ、なんですか!?」
「煮えたら…、煮えたら…、食べてください…」
わたしの質問には答えず、虚空を見つめたまま、消え入るような声で仲居さんが呟きます。
「でも、鍋蓋ないし…」
再び、「ん…!?」
「これは…!?」
食膳にあがっているのは、もしやリアルウリ坊!?
氷温に冷やされた麦酒が、わたしたちの思考力を奪っていきます…

「ごめんよ、ウリ坊!」
「でも、うまい!!」
またまた、「ん…!?」
ところで、お風呂・部屋食つきのお二人様3時間休憩って、もしかしてそういうこと?
(どうぞごゆっくり…、し~、しっしっ…)
先ほどの仲居さんの微笑みが、脳裏をよぎります…
(この先の出来事は、ameba倫理規約により、これ以上語ることができません…)
ああ、今回の旅は、幻だったのでしょうか…
それは、丹沢の片隅で経験した夢のようなひとときでした…
(おしまい)
隠居したら、こんな山里に住みたいですな~
(海と山が近くて、日当りのいい縁側で夕涼みできるとこ、どっかない?)
この恐怖の物語は、フィクションです。(あたりまえじゃ!)
猪鍋のおいしい、レトロな温泉宿広沢寺温泉「玉翠楼」、お薦めです!
---
ご訪問いただき、ありがとうございました。

にほんブログ村・バイクブログ(BMW)
↑
ランキング参加中につき、よろしければ、
ぽちぽちっと応援クリックをお願いします。