職場の近くの病院へ行きたいという私に、先生は快く紹介状を書いてくれました。
「このままバンドで固定していれば、くっつくと思いますよ。 まだ若いから!」
整形外科では、若さの基準を60歳くらいにおいていると思われますが、
そんなことを知らない私のこころに、ドクターの言葉が心地よく響きます。
半寝たきり状態のため、出勤することの出来ない私は、日中一人、家で過ごす羽目になり、
ブログを始めたり、ムフフなサイトを見たりして、暇な時間をつぶしました。貴重な時間を自己研鑚とグローバルマーケットのモニタリングに費やしました。
事故からおよそ一週間、なんとか車が運転できるようになり、早々に仕事に復帰しました。
もちろん、三角巾と松葉杖でイタイタさをアピールすることを忘れません。
「○○さん、大変でしたね、もっとゆっくり休んでもよかったのに。 プッ」
気のせいか、笑われてる気がします。
「いつまでも、皆に迷惑をかけるわけにいきませんから!」
この期に及んで、翌週に一週間の夏休み旅行を企んでいるので、
こんなことで休みを消化していては、嫁や娘が許してはくれません。
末端管理職のわたしの机は、書類であふれかえっていました。
残念ながら、今のところ自分以外には迷惑をかけていないようです。
仕事の合間に、職場の近所にある大きな病院へ行きました。
「手術がいいですね、まだ若いから!」
「えっ?、、、来週、夏休みを…、返事はいつまでに?、、、」
「いま決めてください!旅行は難しいですね。」
問答無用で、5日後の手術が決まりました。
鎖骨を骨折した方以外には、どうでもいいことなのですが、
(というか、このブログ自体、皆さんにはどうでもいいことなのですが)
にわか仕込みの知識によると、
鎖骨遠位端骨折の場合、保存療法で治癒を目指すと、
関節拘縮のリハビリに時間がかかるとともに、
偽関節の発生確率が高まるとのことです。(舌を噛みそうです)
家へ帰ったわたしは、妻に語りかけます。
「僕のことは気にせず、二人で旅行へ行ってきたらいいよ。」
「そんな…、行くなら3人で…」
おとなの駆け引きが続きます。
結局、旅行はキャンセルすることとなり、
夏休みのために購入した水着や旅行トランクを、
嫁と娘の冷たい視線を背に受けながら、押し入れにしまうのでした。
その後、痛い度メーターMAXのBEST2にランクインする苦しみを味わうことになるとは、
誰が想像できたでしょう?
この日、わたしの暮らす地方では梅雨明けを迎えます。
わたしは、生涯忘れることの出来ない夏を迎えようとしていました。
(いつまで続くんだ…)