ありがたいことに、学童で週2回算盤教室をやってくださっている我が家。
そんな中、娘がある日、目をきらきらさせて言いました。
「ねぇねぇ、自分のそろばんが欲しい!
」
おお、いいじゃないか。
“自分の”って言葉、成長の証だよね。![]()
そう思いながら、一緒に選んだその結果──
ピンク🩷
それも、想像の1.5倍くらい、しっかりピンク。
玉までピンク。
追加で選んだ欲しいケースもピンク。
もはや「そろばん」というより
「ピンクという概念を数える道具」。
正直に言います。
商品を販売している方には大変申し訳ないけれど、商品ページを開いた瞬間、
「えー、いやだー!
」
と、思わず口から出てしまいました。
母の心の声、だだ漏れ。
娘は即座に反論。
「私が使うからいいの!
」
……ぐうの音も出ない。
確かにそう。
使うのは娘。
娘のモチベーションは、ピンクで爆上がり。
理屈は、完全に娘が正しい。
でもね。
私の引き出しには、
私が子どもの頃に使っていた
THE・普通のそろばんが眠っている。
黒い枠。
茶色の玉。
一切の装飾なし。
実直。質実剛健。
昭和の風が吹いている。
それがあるのに、
追加で買うのがこれなのか……
この、キラキラした、
「かわいいは正義!」全振りのそろばんを……。
なんだろう。
怒りでもない。
悔しさでもない。
ちょっとした悲しさ。
母の中の「そろばんとはこうあるべき」という
よく分からない価値観が、
ピンク色に塗りつぶされていく感じ。
でも、きっとそのうち、
娘がピンクのそろばんをパチパチ弾く横で、
私は昭和のそろばんを静かに出して、
「ほら、これが“普通”だよ」
なんて言いながら、
自分の価値観を押し付ける未来が来るんだろうな、と思う。
そしてその頃には、
娘はきっと言う。
「ママの、地味だね」
……うん。
それでいいのかもしれない。
そろばんは、
色じゃなくて、続けることが大事。
そう言い聞かせながら、
今日も私は、ピンクに負けた母です。
くすくす。