今回も短編集の紹介。キャサリンが主役の5つの短編が収録されている。

表題の『京友禅の秘密』は友禅のデザインにダイイングメッセージが秘められているお話。『哲学の小径の少女』は東山の哲学の道で春だというのに雪景色の絵を描いてる少女と出会うところから物語は始まる。『謎の新聞広告』は暗号が隠された新聞広告をキャサリンが解いていくという内容。『エアロビクスは死の匂い』はエアロビクス教室が舞台で、電話のトリックがある。『十条家の惨劇』は中編といってもいいぐらいの長さで、京都の名門十条家が舞台。どれも良作で、氏は長編だけではなく短編も面白読みやすく書かれてたんだなという印象を受けた。