ところで、戯曲「速水女塾」作者の岸田國士は昭和23年の執筆から、後に当時”演出覚え書”を残しています↓
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特に文学座のため、この作品を書くについて私の考へたことは
一、なるべく文学座の俳優全員に配役が行きわたるやうにしたい。
一、俳優の持ち味とか、柄とかにあまりとらはれず、むしろ個々の俳優の表現能力に対する私の予想に応じ、
その素質のなかに考へられる新しい領域を開拓できるやうな人物を作りあげたい。
一、役の軽重といふことについての公平は特に無視しても、場面場面の効果をあげられるやうにしたい。
といふやうな事柄であつた。 (文学座への愛があふれていますね)
当時演出を担当された久保田万太郎氏の言葉をここに引用させていただく。
「人それぞれの姿、人それぞれの生きてゐる姿、かれらはかれらのその生き方を肯定してゐる。……いいえ無理にもそれを肯定しようとしてゐる。そのをかしさ、おもしろさ、わたくしはそれを舞台に描きだしたいと思つてゐる。となつたときわたくしは、相馬と登志子との生き方にのみ重点を置いてはいけないのである。」
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桃子「すこし渋皮のむけた女教員がいると、むやみに俸給を上げろだなんて・・・」
秀策(翁)「穏やかならんことを云うじゃないか、たった一度、小浜先生の俸給のことでお前に注意したことがあるきりだ」
穏やかならんことの態度から、切り返しの流れの確認など(斉藤祐一先生)

桃子「それより、私の上履きがみえないんだけれど、誰が履いてったのかねえ」
平栗「さ、そいつは弱った・・・(探している)」 (ゴン!)

なにが起きた?

ちか(増田さん)「お暇をいただきたいんです。沼津のご別荘の方へでもやっていただければねえ」
登志子「あんたひとりがそうする訳にはいかないでしょう。愛作はどうするの、あんたの旦那さんは?」
ちか「旦那さんだなんて、いやでございますよ、奥様」 (平凡な会話だが・・・)
(文責:小須田)