読書「それから」夏目漱石 | 渋谷宙希のブログ

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「それから」夏目漱石
★★★★★




1909年6月から10月にかけて東京朝日新聞・大阪朝日新聞に連載された小説です。


夏目漱石の小説ってハズレないですね。


この小説もやはりとてもよかったです。


「三四郎」(感想はこちら)、「それから」、そして「門」と三部作になっているようです。



確かに、この物語の主人公であるところの代助は、三四郎のその後のようでもあります。


しかし、物語としては完全に独立したものになっています。


それぞれに文体も違うのが凄いなって単純に思います。




実業家の父を持つ代助は、特に働くわけでもなく月に1度本家にお金ももらって生活をしている。


働かぬ理由をあれやこれやと理屈をこね、ひとり身の自由な生活を送っているのだった。


親友である平岡は大学を卒業後、銀行に就職し、共通の友人である菅沼の妹である三千代と結婚する。


しかし、平岡は部下の不始末で会社を辞めて東京へ戻り代助と再会する。


代助は平岡の借金で生活に困窮している三千代を助けるために金を工面しようと兄に借金を申し込むが断られてしまう。


代助はじょじょに三千代を愛していることに気付き始め、なんとかしてやりたいと思うが・・・・・





といった内容です。


主人公の代助はとにかく理屈っぽくてロジックをとても大切にしています。


そのロジックによって仕事をしなかったり、結婚しなかったりするんですけど、三千代というすでに親友と結婚してしまっている女性との再開でロジックが崩れていきます。


実は、昔から愛していた三千代に愛の告白をすることで、全てが崩壊するのですよね。


「それから」どうなったのかは描かれていないのがこの小説のおもしろいところです。


「三四郎」の「それから」でもあるというような意味もあるとかないとか。


漱石の小説にしばし登場するのが高等遊民といわれる人たちです。



この小説の主人公代助はまさに高等遊民ですね。


「こころ」の先生なんかもそうです。


この高等遊民というのは、ざっくり言えば大学を出たインテリなんだけど働かないで、家で勉強したりしてふらふらしてる人のことです。


いいなぁ、高等遊民。。。憧れます。


働かなくてもいいだけのお金があれば自分も働かないで本ばっかり読んでふらふらした生活をしてるだろうな、って思います。


代助がいうには、歯車の1つになってあくせく働き、芸術や文学を楽しむ余裕がなくなったらそれは人間らしい生活ではない。そうですよ。



親の脛かじってるやつに偉そうなこと言われたくないよ。って気持ちもあるけど、芸術や文学に感動する心が人間らしい生活を送るのに大切な要素である、というのはわかる気がしますね。


この小説はストーリーだけ見ると凄くシンプルで単純なんですけど、主人公の心の様子が凄く繊細に描かれていておもしろいです。


三部作の最後を飾る「門」もまた近々読んでみたいと思いました。











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