「屋根裏の散歩者」
★★★☆☆
【公開】1994年
【製作国】日本
【上映時間】74分
【監督】実相寺昭雄
江戸川乱歩の同名の傑作短編小説を映画化したもの。
乱歩生誕100周年を記念した作品だそうです。
この映画は15年ほど前に見た記憶があるのですが、久しぶりに見返してみて結構内容を覚えていたことにビックリしました。
当時、かなりおもしろい!って思って好きな映画だったので思ってたよりも内容がしっかり頭に入っていたようです。
好きな小説の映画化ってだいたい微妙になってしまうものが多いのですが、この映像化は比較的に成功している部類にはいるのではないかと思います。
乱歩の小説はいくつも映像化されていますが、あまり「これはいい!」って思える映画はないんですけどね。
様々な住人の住むアパートの2階に住む郷田は世の中の全てに退屈していた。
ある日、郷田は押し入れの天井から屋根裏に侵入できることを知る。
屋根裏から節穴を通じて除き見る隣人の姿に興奮を覚える郷田。
まるで、隠れ蓑で透明人間になったように隣人の様子をうかがえることに、全てのことに退屈していた郷田は一種の快楽となる。
そして、隣の部屋に住む遠藤が節穴の下で大きく口を開けて寝ている様子を見てある完全犯罪を思いついてしまう。
郷田はその犯罪を実行することになるが・・・・・
といった内容で、基本的なプロットは原作の小説と同じです。
この屋根裏から下の部屋を覗き見るというなんとも変態チックな設定が乱歩らしくて素晴らしいですね。
原作の小説と違うのは、覗いている主人公も変態なんですが、覗き見ている人々もみんな変態なところでしょうか。
映画では、覗き見た先にあるのはそれが人間の本性だと言わんばかりに変態のオンパレードです。
ちょっとやり過ぎでは?って思ってしまう部分もあるんですけど、まぁ許容範囲内です。
そして、この映画の良い点としてキャスティングがあります。
主人公の青年を三上博史を演じ、事件を解決する明智小五郎を嶋田久作が演じています。
初めて見た時は、男前の三上博史が明智小五郎を演じたほうがしっくりくるんじゃないか?って思ったんですが、今見るとこの配役がとってもいいな、って思えます。
世の中の全てに退屈している青年を三上博史を演じ、まだ名探偵となる前の明智小五郎を嶋田久作が演じる。
いいですね。しっくりきます。
この映画は演出的にもかなり乱歩的な世界を忠実に再現している感じがしてそこも好感が持てました。
他の乱歩原作の映像化した作品はちょっと過剰に乱歩の持っている変態的な性質や、アングラなテイストをこれでもか!ってくらい出してくるんですけど、それで失敗してるものが多いような気がします。
なので、この映画はバランスが非常にいいと思いました。
ちょっとエロティックな場面が多いのが気になりましたけどね。
そんなになくてもいいんじゃない?
ってのが正直な感想です。
乱歩作品でエロは重要なテイストだとは思うんですけど、映像であんまりそこを強調するのはどうかと思いますよ。
気になった方はご覧になってください。
できれば原作の小説(詳しい感想は)読んでから見るのがいいかな、と思います。
予告編
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