「ホドロフスキーのDUNE」
★★★★☆
【公開】2013年
【製作国】アメリカ
【上映時間】90分
【監督】フランク・パヴィッチ
【原題】JODOROWSKY'S DUNE
映画史上最も有名な未完の大作といわれているホドロフスキーの「DUNE」が、どのような経緯で撮影中止に追い込まれたのかを巡るドキュメンタリー映画。
結果から言いますとですね
むちゃくちゃ面白かった!!!
です。
幻の大作映画を巡る、ホドロフスキーの誇大妄想っぷりが本当に素敵で、おもしろい!
無駄に豪華すぎる出演者やスタッフとのおもしろエピソードの数々!
そして、もし完成していたら映画の歴史は本当に変わっていたんじゃないか?って思えるほどの圧倒的なパワーを秘めた未完の大作。
でも、きっと完成していたらデヴィッド・リンチの「デューン」よりも失敗作って言われてただろうな・・・って感じ!w
どこをとっても最高のドキュメンタリー映画でしたよ。
「DUNE」はフランク・ハーバートのSF小説で、この小説を原作とした映画を作ろうと、ホドロフスキー監督が、映画を作るための戦士を集めていくところから始まります。
このホドロフスキーという監督はいわいるカルト映画の巨匠とされていて、1969年の「エル・トポ」でアメリカを中心に熱狂的なファンを獲得。
いわいる、「ミッドナイトムービー」といわれる、アメリカの映画ムーブメントの中心人物でした。
この辺りの事情はドキュメンタリー映画「ミッドナイトムービー」に詳しく描かれています。
「エル・トポ」でカルト映画の頂点に立ったホドロフスキーは「ホーリー・マウンテン」でも成功し、お金がいっぱいある!今ならどんな映画でも撮れる!ってなるんですよ。
そこで、SF小説の大作である「デューン」の制作に取り掛かるんですけど、実はこの時点でホドロフスキーは原作を読んでいない!
でも、
この映画を作れば人類の意識を大きく変える凄い映画が作れちゃうんだ!
って思ったんだそうです。
さすが、天才は考えることがでかい!
人類の意識を大きく変える映画を作るにはそれなりの戦士を集めなければならぬ!
ってことで、まず絵コンテをバンド・デシネの巨匠メビウスに依頼!
メビウスといえば、日本の漫画界にも凄い影響を与えた人物ですよ。
有名な漫画家でいえば、大友克洋、鳥山明などはかなりメビウスの影響を受けてます。
漫画の神様である手塚治虫もメビウスの影響を受けていると言われています。
まさに、漫画界の界王神ですよ!
そのメビウスに絵コンテを依頼して、ちゃっかり描いてもらってるんだから凄い!
絵コンテだけではなくキャラクターの衣装デザインなどもメビウスが行っており、もうコンテと設定資料だけでも相当な額でも欲しいって人は多いと思います。
さらに、特殊効果の担当として「2001年宇宙の旅」を担当したダグラス・トランブルの元へ面会に行った際、面会中にもかかわらず何度も電話にでるトランブルに激怒したホドロフスキーは
「お前は魂の戦士じゃない!」
と一喝し、その場を立ち去ったとか。
音楽を依頼するためにピンク・フロイドの元へ行った際も、ホドロフスキーがしゃべってるのにビッグマックをほおばり続けるメンバーにやはり一喝!話しを聞かせた。
他にも、ダン・オバノンを口説きに行った際に上等なマリファナを持参したエピソードやダリに出演を依頼した際にダリから提示されたむちゃくちゃな金額に一休さんばりのとんちで切り抜けたエピソードなど、もう「すべらない話」みたいにどのエピソードもすべりません。
とにかく、魂の戦士を求める旅が面白すぎるエピソード満載です。
ここで、魂の戦士をピックアップしますね↓
・メビウス(←バンド・デシネの巨匠で超絶天才漫画家)
・H・R・ギーガー(←エイリアンのデザインで有名な天才)
(後に映画「プロメテウス」でそのまま登場することになるギーガーのデザインした城↓)
・クリス・フォス(←独特な宇宙船のデザインする天才)
・ピンク・フロイド(←プログレッシブ・ロックの代名詞的バンド。世界中のバンドに影響を与えた天才)
・ダン・オバノン(「エイリアン」の脚本などを担当した天才)
スタッフだけではなく出演者も凄い!
・サルバドール・ダリ(←天才芸術家)
・ミック・ジャガー(←ローリング・スト-ンズのヴィーカルで天才ロッカー)
・オーソン・ウェルズ(←「市民ケーン」を監督した天才監督)
(このオーソン・ウェルズのキャスティング最高でしょ!↓)
これだけのメンバーを集めて、主人公は清い魂を持ったものが演じなければならない!そんなやつがいるのか!?いる!
私の息子だ!!!
えー!ここまでのメンバー集めといて主人公は自分の息子かよ!
って思わずツッコミを入れたくなりましたよ。
当然こんな企画が通るわけなく、企画はボツになり、その後同じくミッドナイトムービーで活躍したデヴィッド・リンチが「デューン」の監督をして、完成させちゃうんですよね。
完成した「デューン」に対して
「リンチは才能ある監督だ、自分よりも凄いデューンを作ったにちがいない!」
と観に行くのを怖がるのですが、息子が
「それでも戦士か!戦士なら観に行くべきだ!!」
とか、なんとかいって一緒に観に行くことに!w
最初は怖くてまともに観れなかったんだけど、チラホラ視界に入ってくる映画を見てどんどん元気になっていくホドロフスキー
「これは間違いなく駄作だ!!」
そう確信してっからはもう嬉しくてしょうがなかったそうですw
その気持ちわかるよ!それが素直な感想でしょう。
とにかく、凄いメンバーと、ホドロフスキーの凄いキャラクターが爆発した最高におもしろい映画でした。
(とにかくこの↓おじいちゃんの話が面白過ぎる!)
この映画の中に登場する企画をまとめた本があるんですけど、その本普通に発売したらそうとうな値段でも売れると思うんだけどなぁ。
(これ↓)
登場人物たちの名前を知っている方であればより一層楽しめますが、全然知らないって方でも普通に面白い映画だと思います。
この映画をきっかけに「エイリアン」を観てみたり、ピンク・フロイドの音楽を聞いてみたり、メビウスの漫画を読んでみたりするのもおもしろいのではないかと思います。
興味を持ったかたは是非観てみてください!
予告編
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