「サクリファイス」
★★★★☆
【公開】1986年
【製作国】スウェーデン、フランス、イギリス
【上映時間】149分
【監督】アンドレイ・タルコフスキー
【原題】Offret
映像詩人(←これ気に入ってる)アンドレイ・タルコフスキーの遺作となった映画。
ここ最近、タルコフスキーの映画を観まくってるのは、最近廃盤になっていたタルコフスキーの映像作品がどんどん再発されているからです。
さて、今回の「サクリファイス」なんですが、
さすが!タルコフスキー!!
って映画でした。
この映画は第39回カンヌ国際映画祭で絶賛され、審査員特別グランプリなど4賞を受賞。
スウェーデンのゴントランド島。
元舞台俳優のアレクサンドルは、妻のアデライデ、娘のマルタ、そして口のきけない息子と暮らしている。
ある日、テレビから核戦争勃発のニュースが流れる。
停電により外部との連絡が取れなくなってしまい、パニックになる人々。
神を信じていなかったアレクサンドルは初めて神と対峙し、
愛する者を守ってくれれば、家族や自分の幸福全てを放棄する。
と神に誓うことになるが・・・・・
といった内容なんですけど、毎度のことですがタルコフスキーの映画の物語を解説するのはほとんど不可能に近いですので、あまり参考にしないでください。
この映画はタルコフスキーの映画の原作のないものでは、かなりストーリーがしっかりしている映画だとは思いますが、それにしても、セリフは少ないし、たまにしゃべってもとても詩的な表現だったり、哲学的なことを言っているので、自分のような人間にはなかなか理解をするのが難しいです。
そして、例にもれずこの映画も
非常に眠たい!
です。
やっぱり途中で寝てしまいましたね。
セリフが少ないのと、この映画の場合はほとんどのシーンが薄暗くて、
さあ寝てください!
と言わんばかりです。
もちろん、全然眠くならないよ!
って人もいると思いんですけど、どうも眠くなるんですよね。
何度も書いていますが、この「眠たくなる」というのは決して悪口ではないのです!
退屈で眠たくなるんじゃなくて、タルコフスキーの映画は映像が心地よ過ぎて眠たくなるので。
やはり、タルコフスキーの映画はその映像の美しさでしょう。
これに尽きます。
さらに、この映画に関して個人的に思うのは非常に完成度が高い
ってことです。
タルコフスキーの映画は芸術性を追求しているため、一見難解なものが多い印象がありますが、この映画は芸術性の高さはありつつも、ちゃんと伝わりやすい普及的な内容の物語になっているような気がして、凄いなぁ、と思いました。
終盤に家が燃えるシーンがあるのですが、これは「鏡」という映画でも似たシーンがあります。
しかし、この「サクリファイス」では長回しで、燃えている家を延々と撮り続けている。そして、その燃えている家の周りで人々が演技しているのですよ。
このシーンは凄いな、って思いました。
しかも、後で調べたら、このシーン撮り直ししてるみたなんです。
これを撮り直すってのが凄い。タルコフスキーの完璧主義のを感じます。
芸術として映画を撮るのか、エンターテイメントとして映画を撮るのか、色々な映画が世の中にあっていいと思いますが、個人的に映画というのは、この映画のようなものなんじゃないかな、って思います。
映画らしい映画を観たってっ感じがしました。
気になった方はぜひご覧ください。
予告編(予告編なかったので、映画のワンシーンを)
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