「大地 (第一部)」パール・S・バック
★★★★☆
パール・バックが女性で初めてノーベル文学賞を受賞した作品。
前から読もう読もうと思いつつもだま読めていませんでした。
マジで読まねば!
って思ったきっかけは、でんぱ組.incの成瀬瑛美(えいたそ)ちゃんが「大切な本」として、この小説を紹介していたからです。
えいたそといえばメンバーの中でもガチガチなオタクとして有名なんで、きっと漫画とかをチョイスするのかと思いきや、こんな文学作品を紹介していたので驚きました。
えいたそは本当に奥が深い!
この作品は最初にこの「大地」があり、続編の「息子たち」、「分裂せる家」の3作で構成されていて、今回読んだのは1作目の「大地」です。
私が読んだ新潮文庫版では、この3部作を「大地」というタイトルで出版しており、1作目の「大地」が1部、「息子たち」、「分裂せる家」が2部、3部という形になります。
3作全て読んでから感想を書こうかとも思ったんですけど、1部だけで完結した作品として読めるのでとりあえず、1部から順番に感想を書いていきたいと思います。
まずは、読んだ率直な感想なんですけど
凄くおもしろかった!
です。
簡単に言えば1人の農民青年の紆余曲折な生涯を描いた小説です。
中国が大きく変わろうとしている激動の時代に大地に生きた男の悩みの尽きない人生が凄く読んでいておもしろかったし、色々と考えさせられる部分もありました。
貧乏な農民の王龍(ワンロン)は、妻を迎えることになっていた。
妻になる女は地主の黄家び奴隷をしている阿蘭(アーラン)。
彼女は美しくはないが、よく働くよい妻だった。
亜蘭が家に来てから王龍の家は順調に蓄えを貯めていくことができ、さらに男の子にも恵まれ順調な生活を送っていた。
しかし、飢饉の影響で畑ではまったく収穫がなくなってしまい、明日食べるものもなくなってしまう。
そこで一家は南の町へ逃れ、王龍は車夫、家族は乞食をしながらなんとか食い繋いでいく。
やがて、南の町は戦争に巻き込まれ金持ちの家は襲撃を受ける。そこでたまたま居合わした王龍は金持ちの男から大量の銀貨を手に入れる。
自分の畑に帰った王龍は再び順調に農業を成功させ、富豪になる。
しかし、幸せな日々は長く続かず、非常に怠け者で性格の悪い伯父家族が王龍の財力に目をつけ、家に居座るようになる。
さらに、金を手にした王龍はよそに女を作り、その女を自分の家に招こうとするが・・・・・
といった感じの内容です。
ここに書いたのはほんのさわりでして、これからまた山あり谷ありで息つく暇もありません。
まさに、上がったり下がったりのジェットコースター小説です。
大きな事件なんかがあるというよりは、基本的には家族の悩みやお金の悩みです。
特に、お金持ちになってからの王龍は家族のことで悩みっぱなしです。
性格の悪い伯父に悩み、息子の性格に悩み、妻との関係に悩み、とひたすら家族で悩んでいます。
王龍は基本的には凄く性格の素直ないい人なんですけど、金を手にしたらよそに女を作ったりして、ダメになりそうになるんですけど、なんとか最後までいい人っぽい感じで終わります。
それも全てはこの小説のタイトルになっている「大地」のおかげなんですよね。
王龍はなにか悩みごとがあるとひたすら農作業に没頭します。
すると、俺はこの大地で生きて、この大地で死んでいくんだ~。
ってなって悩みは全て大地が吸収してくれるみたいなんです。
素直な性格の王龍ならではの解決方法のような気もしますが、彼の素直な性格が凄くこの小説の物語をおもしろくしているなぁ、と思いました。
1人の男が貧乏な時代から裕福になって、また貧乏になって、大富豪になるってサクセスストリーなんで、物語を追っかけてるだけでもかなり楽しめる小説だと思います。
3冊全部読むのはちょっと大変だな、って方はこの1冊だけ読んでも全然大丈夫なんじゃないでしょうか。
おすすめの1冊です。
2部は王龍の3人の息子がメインで物語が進んで行くようなんですけど、一体どんな展開になるのか今から楽しみです。
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