「審判」
★★★☆☆
【公開】1963年
【製作国】フランス/イタリア/西ドイツ
【上映時間】119分
【監督】オーソン・ウェルズ
【原題】THE TRIAL
フランツ・カツカの長編小説「審判」(感想はこちら)を、「市民ケーン」で有名な映画監督オーソン・ウェルズが映画化した作品。
原作の持つ不条理な世界をかなり忠実に映像化していると思いました。
不条理な物語を映像化しているので、物語を全て理解するのは非常に困難ですが、この手の文学作品を映像化して作品の中ではかなり上手くいっている方ではないかと思います。
さすがは、ウェルズといったところでしょうか。
この映画を見ると、世の中を動かしているなんだか得たいの知れないシステムというものに対して、恐怖を感じます。
世の中を動かしているのは人間ではなく、人間の作り上げた巨大なシステムで、その管理下で生きているような気がしてきます。
この問題に関しては、以前から凄く興味があったので、とても面白かったです。
ある朝、目を覚ましたジョゼフ・Kは身に覚えのない罪で逮捕されます。
叔父のマックスの紹介でハスラーという弁護士を雇うことになるのだが、ハスラーも裏で当局とつながっていて、裁判の傍聴人など、全ての人間に対して疑心暗鬼を陥る。
裁判官の肖像画を専門に描く画家の元を訪れたりして、なんとか無実を訴えようとするが、なにをやっても悪い方へと事態が転がっていき・・・・・
といった内容で、基本的なストーリーの流れは原作のまま。
物語の冒頭で、Kが逮捕されるシーンなんかは、小説を読んた時に頭で思いえがた光景がほぼそのまま映像化されていたので驚きました。
反対に画家を訪れるシーンでは、頭の中で想像した光景と全然違うかったので、これまた驚きました。
小説を読んでいる時点では自分が監督になって映像を作っているので、他の人が作った映像と見比べるととても面白いです。
監督のオーソン・ウェルズは弁護士ハスラーとして登場しています。
なかなかの怪演を見せてくれてまして、凄くかっこいいです。
この映画の中に登場するオフィスで大量の人たちがタイプを打つシーンは、テリー・ギリアムの代表作「未来世紀ブラジル」の元ネタになっているらしく、確かにそっくり。
映画のテーマも「審判」と「未来世紀ブラジル」は凄く似てますよね。
(久しぶりに「ブラジル」観たくなりました↓)
映像的には凄くかっこいいシーン満載です。
モノクロで綴られる物語の美しさを感じることができます。
モノクロの映像ってカラーに比べると極端に情報量が少ない分、普段は気にならない部分が目に入ってくるのでいつもと違った世界を見ることができてとても好きです。
ただ、残念なシーンもいくつかありました。
特にラストシーンはちょっと微妙に感じましたね。
このラストがもう少しかっこよかったらもっと名作になっていたのではないかと思います。
気になった方はぜひ観てみてください。
カフカの不条理な世界を見事に映像化している名作だと思いますよ。
観て損はない映画だと思いますよ。
予告編(この予告編凄くかっこいいです)
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