読書「ラディゲの死」三島由紀夫 | 渋谷宙希のブログ

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「ラディゲの死」三島由紀夫
★★★☆☆





三島由紀夫が昭和17年から昭和31年にかけて書いた13編の短編が収録された短編集。



「みのもの月」
「山羊の首」
「大臣」
「魔群の通過」
「花山院」
「日曜日」
「箱根細工」
「偉大な姉妹」
「朝顔」
「旅の墓碑銘」
「ラディゲの死」
「復讐」
「施餓鬼舟」



以上13編。


最初に入っている「みのもの月」は三島由紀夫が16歳の時に発表した作品だそうです。


デビュー作の「花ざかりの森」と同時期に雑誌に掲載されたものだそうで、雰囲気的には「花ざかりの森」に近い印象でした。


個人的におもしろかった作品の感想を書いていきたいと思います。


「日曜日」

20歳の恋人同士の2人が毎週日曜日の予定をずっと先まで決めていて、その予定を確実にこなしていく。
ある日曜日、2人は湖へぴピクニックへ行く、そこで世界が存在しているのは2人の日曜日を正しく予定を入れているからな気がする。という会話を交わすが、湖からの帰りに2人は・・・・


といった内容で、一見爽やかな青春小説のように見えるんだけど、ラストがちょっと残酷な内容になっていて、ちょっとショックでした。


「箱根細工」
真面目で真っ直ぐな青年秀夫が会社の慰安旅行先で病気で倒れてしまう。
旅行先で看病をしてくれた鹿の子という芸者と恋愛関係になった秀夫は鹿の子に結婚を申し込むが、鹿の子には借金があり、その借金を肩代わりしてくれる男性がいることを知る。
鹿の子はその男性からダイヤの指輪を送られていて、秀夫は借金を返済するため、そのダイヤを東京に帰って宝石屋に売り行くが・・・・・



といった内容。物語の最初に秀夫が小指にコンプレックスを持っているという伏線があって最後にその小指の伏線が生きてくるんですけど、物語の構成がとっても短編らしい短編小説でした。
読みやすくて、オチもわかりやすくて、おもしろかったです。



「朝顔」
終戦後間もなく腸チフスで死んでしまった妹が夢に出てくる。
必ず夢の中の妹が出てくるので妹が死んでしまった実感が得られない。しかし、夢の妹はとても儚く、いつ消えてもおかしくない様子だった・・・・・



三島由紀夫の妹である美津子について書いたものだそうです。


とても短い小説なんですが、文章が凄く美しくて、幻想的な物語が凄く好きでした。


ラストは少し怖い感じで何回も読みなおしてしまいました。


「ラディゲの死」
ラディゲの死をコクトオを通して描いた作品。


ラディゲは「肉体の悪魔」(感想はこちらなどの小説で有名なフランスの作家。


20歳という若さでこの世を去った早熟の天才。


三島由紀夫は自らをラディゲに投影していたと言われていまして、三島は戦争で死ぬはずだったが生き残ってしまい、生きざるをえなくなってしまった。


そんな三島由紀夫のラディゲへの敬愛を感じる作品でした。


三島由紀夫の小説にしてはちょっとパンチが足りないかな、という印象の短編集でしたが、三島由紀夫の書く小説の幅の広さが感じられる1冊ではないかと思います。



興味のある方はぜひ読んでみてください。







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