「肉体の悪魔」レイモン・ラディゲ
★★★☆☆
1923年に出版されたラディゲの処女小説。
ラディゲがこの小説を書いたのが17歳頃だと言われているんですが、17歳でこんな小説を書けるなんて本当に天才だったんだぁ、って関心しました。
しかも、ラディゲは20歳という若さでこの世を去っています。
早熟の天才の若すぎる死。
あまりにもドラマチックな人生です。
17歳の少年とも言える作者の本が21世紀の日本でいまだに読まれているなんて本当に凄いことですよね。
元々ラディゲに興味を持ったのは三島由紀夫の影響が大きくてですね。三島由紀夫初期の短編「ラディゲの死」で臨終のラディゲを看取ったアン・コクトーのエピソードを描いています。
第一次世界大戦中のフランス。
主人公は15歳の少年。
彼は年上の女性マルトに恋をする。
しかし、マルトにはジャックというい許婚がいた。
間もなく結婚した2人だったが、マルトはジャックに対する愛情はすでに消えかかっていた。
ジャックが前線で戦いに出ている中、マルトと主人公の少年は逢瀬を重ね、ついにマルトから妊娠したことを打ち明けられる・・・・・
といった内容です。
正直に言えば物語的にはそんなに面白い内容ではなかったです。
まぁ、ありがちな話だし、ラストのオチも見え見えで特に驚くところはなかったんです。
しかし、この小説がなぜ今だに読み継がれている名作になってるのかといえば、それは主人公の心理描写の巧みさではないでしょうか。
文章自体がとても読みやすいんですが、フランス文学らしい意識の流れを表現した小説になっています。
この手の小説はプルーストの「失われた時を求めて」なんかが有名ですが、プルーストに比べるととてもすっきりした文章でややこしいはずの人間の思考をかなりシンプルに表現していてその表現がとても絶妙で上手い。
17歳の少年が書いたとは到底思えないうまさを感じました。
三島由紀夫の書く小説とも確かに通じる部分があるなぁ、と思います。
タイトルだけ見るととってもドロドロした内容なのかな、って思いなかなか読もうという気にはなれなかったんですけど、実際は少年の恋愛小説で、青春小説でした。
恋愛に悩む少年の苦悩や、弱さ、恋愛に対する姿勢など今でも共感できる部分もある気がしますし、いつの時代の少年もモンモンとしてるんだなぁってこともわかったおもしろかったです。
気になった方はぜひ読んでみてください。
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