「月と六ペンス」モーム
★★★☆☆
画家ポール・ゴーギャンをモデルにした人物チャールズ・ストリックランドの伝記小説。
あくまで、モデルにしたということで、ゴーギャンの伝記小説ではないようです。
とにかく、このゴーギャンをモデルにしたというストリックランドの性格の悪さがずば抜けてて逆に清々しさすら感じましたよ。
天才だけど、最悪なんです。
でも、きっと天才ってそんな感じなんだろうな。そうじゃないと、芸術家にはなれないんじゃないかって思います。
ちなみに、ゴーギャンは一時期ゴッホと共同生活をしている時期があったみたいなんですけど、ゴッホもゴーギャンもあまりにもぶっ飛んでるので、かの有名な「耳切り事件」にまで発展して、2人の共同生活は破たんしてしまったみていですね。
その辺の事情はゴッホの自伝小説「炎の生涯」(感想はこちら)に描かれていました。
ちなみに、この辺のエピソードはこの「月と六ペンス」には一切出てきませんけどね。
作家である主人公は友人の巣ストリック夫人のパーティーに招かれ、夫のチャールズ・ストリックランドと知り合う。
ストリックランドはイギリスの証券会社で働く寡黙な男だった。
子供も2人おり、夫婦仲も円満に見えたが、ある日ストリックランドは妻と子供を捨てて消息を絶ってしまう。
フランスのパリにいることを突き止めた夫人から夫を説得して欲しいと頼まれた主人公は、しぶしぶパリへ向かい、ストリックランドと会談する。
ストリックランドは画家になるために全てを捨てたと語り、主人公の説得にも一切耳を貸さなかった。
5年後、主人公はパリで暮らしていた。
そこで知り合った画家ダーク・ストルーヴがストリックランドの才能にほれ込んでいることを知り、ストリックランドと再会する。
ストリックランドは極貧の生活を送っていたが、絵を描ける生活に満足している様子だった。
しかし、栄養不足も祟ってか病気になり生死の境をさまようことになる。
ダークはそんなストリックランドを心配し、自分の家にストリックランドを連れていき介抱してやろう、と妻のブランチに相談する。
ブランチは一度ストリックランドと会った際、彼の無礼な態度に非常に憤慨しており、猛反対をするが、結局夫の言うことを聞き入れることになる・・・・・・
といった感じの内容で。
物語としては、主人公が実際に見たという設定になっているパリを舞台にした前半と、その後タヒチ渡ったストリックランドの生活と現地で彼を知っている人物から聞いたという設定になっている後半に分かれる。
正直言って前半のパリを舞台にした部分はめちゃくちゃ面白いんですけど、後半のタヒチが舞台になっている部分は微妙な感じでした。
まるで、違う小説のようにガラっと感じが変わってしまいます。
やはり、主人公は実際に当事者として登場する語り口の方が臨場感があって圧倒的に面白い。
それに、ストリックランドの性格の悪さが前半めちゃくちゃ際立ってます。
後半タヒチに行ってからも基本的には最悪なんですけど、その最悪っぷりも年や環境のせいか少々丸くなってしまっていてちょっと残念。
しかも、人から話を聞く形式になってるので、いまいち臨場感もありません。
とにかく、この小説の内容が本当にゴーギャンという人物に当てはまるならゴーギャン最悪っすね。
って感じです。
絶対に近づきたくない人物です。
でも、なぜか小説の中ではモテモテなんですよね。
主人公も最悪だとは思いつつもどうも気になってしまってますし、ダークに至っては人生めちゃくちゃにされるのにストリックランドを恨む様子もない。
さらに、女性には普通にモテまくる。
ゴッホは女性関係はからっきしだったみたいなんですけど、ゴーギャンはモテたみたいです。
とりあえず、小説として普通に面白かったです。
ちなみにタイトルの「月と六ペンス」というのは、「月」が芸術的な情熱を示し、「六ペンス」は通俗的なものを示しているらしいです。
気になった方は読んでみてください。
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