読書「或る少女の死まで」室生犀星 | 渋谷宙希のブログ

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「或る少女の死まで」室生犀星
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詩人、小説家の室生犀星の自伝的な小説「幼年時代」「性に目覚める頃」「或る少女の死まで」の3編を収めた本です。



この本は、中崎町にある素敵な本屋さん「葉ね文庫」さんで、小川未明の「赤い船」(感想はこちら)と共に購入した本でして、室生犀星の作品を読んだのはこれが初めてだったんですがとても良かったです。


この本は作者の少年時代、思春期、青年時代を切り取ったような小説で、最初の少年時代を描いた「幼年時代」は中勘助の「銀の匙」にも通じるノスタルジィを感じることができる小説でした。




「幼年時代」 
養子に出された主人公の少年はしょっちゅう実家に帰るので、母親にしかられていた。喧嘩っぱやい主人公は学校では先生に目をつけられていつも居残りをさせられている。
そんな主人公が心を許すのが義姉。
そして、少年は近所に住む寺の子へなる。
ある日、義姉が嫁に行くときき・・・・・



「性に目覚める頃」
青年に成長した主人公は女性に奥手。
ある日、寺のさい銭を盗む美しい女性を見つける。
主人公は女性のためにさい銭箱にお金を入れ、助けようとするが・・・・・



「或る少女の死まで」
詩人を目指し東京に上京した主人公。
ある日、行きつけの居酒屋で喧嘩に巻き込まれ警察沙汰になってしまう。
宿泊している宿にいる少女と仲良くなった主人公だったが、少女は間もなく故郷へ帰るという・・・・・





みたいな内容です。


大正8年に書かれた小説なんで、当然自分からすれば全く知らない世界を描いているのですが、なぜか凄くノスタルジィを感じてしまうんですよね。


これってなんなんでしょうね?凄く不思議です。


100年ほど前の小説なんですけど、ヨーロッパの100年前の小説を読んでもノスタルジィを感じることはありませんが、日本の小説だとノスタルジィを感じるんですよね。


どちらも知らない世界なのに不思議です。


古い日本の小説ってとにかく言葉遣いの美しさや、所作の美しさがとても伝わってきて、この時代って貧しかったのかもしえないけど、なんか羨ましいなぁって思ってしまうんですよね。


主人公が青年になってから詩人を目指して、結構ダラダラした生活してて、なんとなく羨ましいって思ってしまう。


なんせ夏目漱石の「こころ」に登場する先生みたいな生活が理想なんでね。



海外の小説好きなのが多いですが、やはり原文で読める日本の小説はとてもいいですね。


こういう小説を読むと特にそう感じます。


気になった方はぜひ読んでみてください。お勧めです。





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