「戦後責任論」高橋哲哉
★★★☆☆
日本の戦争責任をどのように果たすべきか。
そして、責任とはなにか。
そのような問いが理論的に、そして思想的に書かれた本。
先日観た映画「ゆきゆきて神軍」(詳しい感想はこちら)もある意味では戦争責任の話だったので、その流れで読んでみました。
この本が書かれたの1995年から1999年まで、ということなので今の状況とは少し異なるとは思いますが、ようは
戦争被害者に補償と、責任者の処罰をせよ
という日本政府に対する意見が書かれた本です。
この本によると、直接戦争を知らない私のような世代も
責任がある
というロジックで書かれています。
まぁ、日本人としては考えなければならない問題だとは思うので、その点に関してはさほど異存はありません。
本の中で戦争被害者を亡霊に例えて、いつ現れるかも知れない亡霊に対してつねに誠実に対応することが重要である。
と主張しています。
この精神というか、思想は大切なことだと思います。
しかし、それを日本政府に要求するのは現実的とは思えませんでした。
亡霊というのはいつ出てくるかわかりません。
一つの問題が解決したとしても、また別の亡霊が現れる可能性は十分にあります。
そうすると、責任というのは無限に続いていくことになります。
その度になんらかの対応をするのは必要なことだと思いますが、これでは永遠に問題は解決しないような気がします。
過去を反省するのは大切なことですが、未来を見据えるのも同じくらい大切な気がするので、無限の責任というのは少し違和感があります。
慰安婦問題に関して、この本では
軍による強制連行があったか、なかったか
という議論はあまりなく
絶対にあった
という前提で話しが進んでいるのが少し気になりました。
「なかった」
なんていうと
歴史修正主義
とかなんとか、言われそうですが、なかったものをあった。というのも歴史修正じゃないの?って思うんですけどね。
僕はこの問題に関しては、あったか、なかったかは分からないので、フェアに見て、「ある」というならそれなりの証拠を出してほしいと思いました。
もちろん、「ない」という意見にかんしても同じことが言えます。
個人的にはこの本で書かれている思想的な部分に関していえば、本当に世界がそうなればいいと思います。
そして、戦争を知らない世代でもやはり戦争のことをもっと勉強したり、考えたりしないといけないと感じました。
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