読書 「青春は美わし」ヘルマン・ヘッセ | 渋谷宙希のブログ

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「青春は美わし」ヘルマン・ヘッセ
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楽しの時の命は美し。 
青春は美わし。そはもはや来たらず。 
されば重ねて言わん。 
青春の年々は美わし。 
青春は美わし。 
そはもはや来たらず。



これは、「青春は美わし」という民話です。

この民話からこの小説の発想が出たのかな?

この本には「青春は美わし」「ラテン語学校生」の2つの短編が収録されています。

どちらも、青春の淡いひとときを切り取ったような小説で、個人的には大好きなジャンル。

ヘッセの小説は「車輪の下」以来2冊目になりますが、ヘッセの小説はとにかく美しい情景描写と、繊細な心理描写が心に残る。

ヘッセの小説は読んでいると、なんだか甘美で、幻想的な気分になるのです。

まず「青春は美わし」の方は久しぶりに故郷に帰ってきた青年が、淡い初恋を抱いていた少女が美しく成長している姿を目にしてドキドキしたり、妹の友人の少女が家に泊まりにきてドキドキしたりする胸キュンな内容になっております。

都会から田舎に帰ってきたので、田舎の情景の美しさや家族の優しさなどをしみじみと感じる主人公の目線もとても美しく描かれています。


「ラテン語学校生」の方は都会に下宿している青年が、下宿先の女中と仲良くなり、よその家の年上の女中に一目惚れしちゃう、という物語。

主人公の純粋さが時々読んでいて「こいつはバカか」と思ってしまう部分もあるんだけど、それも含めてとてもいい。

まさに、青春のバカさ加減が出ている。

個人的にはこっちの小説の方がおもしろかった。

下宿先の女中にかわいがってもらう主人公のかわいさが、読んでいてとても初々しくて、好感が持てる。

そして、初恋らしくバッサリとふられちゃう感じもいい。

初恋はそうでなくてはいけませんね。

両方とも青春の甘酸っぱさをとっても美しく、みずみずしく、素晴らしい小説でした。

読み終わった後は心が洗われたようにキラキラします。

気になった方はぜひとも読んでみてください。
















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