皆さんごきげんよう。管理人のリオンです。
前回に引き続き、TRPG『サイバーパンクRED』のルール解説をしていきます。
今回から『ネットラン』について解説していきます。
ネットランはネットランナーだけができるのでネットランナーをやりたい方は必読のルール解説です。
▶サイバーパンクRED:イージーモードの紹介
サイバーパンクREDは、初めての方向けに無料のルールブック『サイバーパンクRED:イージーモード』がホビージャパンさんから無料で配信されています。以下から入手できますので、そこからルールに触れることもできます。
サイバーパンクRED:イージーモード
https://wit-awscms-witweb.s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/hjcardgamer/CPR_EasyMode.pdf
それでは始めていきましょう。
▶ネットランとは?
まず、ネットランとはそもそも何をすることなのか?から始めましょう。
サイバーパンクREDにおけるネットランとは、『サイバーデッキ』という意識でプログラムを操作する機器を使い、『NET構造体(アーキテクト)』に侵入することを指します。
サイバーデッキのイメージ
(画像はサイバーパンクジャンルの祖となった1984年小説『ニューロマンサー』に登場するサイバーデッキ『オノ=センダイ・サイバースペース7』の再現レプリカ。主人公であるケイスはこれを使ってサイバースペースに意識ごと侵入する。意識を使ってコンピューターに侵入する要素は80年代サイバーパンク小説の影響が強い。)
『NET構造体(アーキテクト)』とは、階層化されたコンピュータネットワークのことです。ネット構造体を攻略できれば、重要情報の奪取や『コントロール・ノード』に入り込み、機器の操作が可能になります。
ネットランをするにはロール特技である《インターフェイス》能力が必要なため、ネットランができるのはネットランナーだけです。
かつてのネットランはNETにジャックイン(ネットに入ること)している間、体を動かすことはできませんでしたが、現実世界にネット空間を投影できる『ヴァーチャリティ・ゴーグル』の登場により、ネットランナーはジャックイン中も身体を動かすことができるようになりました。ただし動けるのはケーブルが届く6×6m(3×3マス)の範囲に限られます。
▶赤の時代のNET ~オールドNETと現在のNET~
サイバーパンクREDの2045年世界(赤の時代)におけるNETは私たち現実世界のネットとは少し違いがあります。
ネットランのルール解説の前にサイバーパンクREDの世界におけるNETの背景について簡単にお話ししましょう。
第四次企業戦争(2021年から2025年)の最中、世界最高のネットランナーである『レイシー・バートモス』が暗殺されました。彼の死によりキルスイッチが入り、強力な致死性AI構造体『R.A.B.I.D.S(ラビッズ)』がばらまかれ、世界中のデータが破壊されるか凍結され、大勢のネットランナーが脳神経を焼かれて死亡しました。
それからというもの旧時代のネット環境は『オールドNET』と呼ばれるようになり、対抗措置として企業が投入した自己増殖型殺人AIや致死性ウイルスの漂う危険地帯となっています。
『オールドNET』には巨大企業の機密データなど価値の高いデータが眠っているらしいですが、そんなところに飛び込む奴はよほどの命知らずとみなされます。
現在のNETは『オールドNET』から『ブラックウォール*(ファイアウォールの超高性能版)』により隔絶され、再構築されたものです。さらに2045年現在、ジグラット社の介入によってNETはさらに大規模な復興を遂げていますが、まだまだすべてのNETがつながっているわけではありません。
ブラックウォール
そのため、一般的なネットランナーがダイブする場所はこれらいくつかの分断された安全なネットワークの1つになります。ネットランナーが安全な自宅や隠れ家でチームから離れて目的のNET構造体に侵入する時代は終わりを告げました。
なので、あなたがネットランナーであるなら、現地へ赴き、ジャックインできる場所を探す必要があるわけです。
▶『NET構造体』の概要
NET構造体は多数の階層によって構成されています。
ネットランナーはまず、《スキャナ》というネットアクションを使い、NET構造体に入るための『ジャックインスポット』を探してジャックイン(NETに侵入する)します。そして第1階層から、最下層を目指して突き進んでいきます。
その途中では、突破しなければ先へ進めない『パスワード』、攻性防壁プログラムの『ブラックICE』、機密文書などの『ファイル』、接続された機器を動かす『コントロール・ノード』、NET構造体全体を監視する特殊ブラックICEである『デーモン』、さらには敵のネットランナーなどと遭遇することもあります。
以下にNET構造体のサンプルを載せておきます。
NET構造体
次の章からは、ネットランナーが実際にどうやってネットランを行うのか詳しく解説していきます。
▶ネットランSTEP1:『ジャックインスポット』を発見する
NET構造体にジャックインするためにはまず『ジャックインスポット(ジャックインできる場所)』を発見する必要があります。
『ジャックインスポット(ジャックインできる場所)』のある場所はシナリオ内に記載してあるか、事前にGMが決めておきます。
ネットランナーのロール特技である《インターフェイス》能力の1つである《スキャナ》を使って『ジャックインスポット』を特定しましょう。
《スキャナ》は以下のように判定します。
《スキャナ》の使用:
《インターフェイス》+1D10 > 目標値(難易度)
目標値(難易度)はシナリオに記載されているNET構造体の難易度を使うか、通常の難易度表を基にGMが決定します。
難易度表
備考:『肉体アクション(ミートアクション)』と『NETアクション』
ネットランナーは、自分のターンで現実世界の『肉体アクション(ミートアクション)』か、NET世界の『NETアクション』どちらかを選ぶことができます。
《インターフェイス》能力はNETアクションに分類されますが、《スキャナ》のみ肉体アクションとなります。
《スキャナ》以外のその他の《インターフェイス》能力については後述の「備考:『《インターフェイス》能力』」で解説します。
1ターンにできるNETアクションの回数は《インターフェイス》能力のランクによって決められています。
キャラクター作成時はランク4ですので最大で1ターンに3回までNETアクションが可能です。
以下に《インターフェイス》ランクとできるNETアクションの回数について表でまとめていますので参考にしてください。
また、どちらを選んだ場合でも現実世界の『移動アクション』を1回行うことができます。ただし動けるのはケーブルが届く6×6m(3×3マス)の範囲に限られます。
備考:『《インターフェイス》能力』
先ほどインターフェイス能力の《スキャナ》を使用しましたが、インターフェイス能力は全部で9種類あります。
以下に一覧を載せておきます。把握しておくと、どういったことができるのか分かりやすいと思います。
インターフェイス能力
インターフェイス能力は全て以下のように判定します。
インターフェイス能力の判定:
《インターフェイス》+1D10 > 目標値(難易度)
▶ネットランSTEP2:『ジャックイン』する
自分の手番でNET構造体にジャックインします。ジャックインするために肉体アクション1回が必要です。
▶ネットランSTEP3:NET構造体のマップ情報を取得する
NET構造体にジャックインしたとしても第1階層も含めて何があるのかプレイヤーが見ることはできません。
まず、いくつ階層があり、何があるのかを知るためにNET構造体全体のマップ情報を取得する必要があります。
インターフェイス能力の1つである《パスファインダ》を使って内部の階層がいくつあるのかと各階層に何が存在するのかを取得しましょう。
以下のように振ってください。
《パスファインダ》の使用:
《インターフェイス》+1D10 > 目標値(難易度)
各階層に設定された難易度以上であればそれだけの分、階層と何があるのかを開示することができます。
各階層の難易度はシナリオ記載のものを使うか、GMが事前に設定しておく必要があります。
▶ネットランSTEP4:各階層の障害を突破する
1ターンに1回《スライド》が使用できるので1階層ずつ移動し、各階層に設定された障害を突破していきます。
また、前述の《パスファインダ》で開示されていない層にスライドすることはできません。
階層を降りていくと以下の要素に遭遇するでしょう。
・『パスワード』:これを突破しなければ先の階層へ降りていくことはできません。パスワードの突破には《バックドア》を使用します。前述の『インターフェイス能力の判定:』と同じように振って判定してください。
・『コントロール・ノード』:施設内の設備をコントロールするためのノードです。ここを《コントロール》で奪取すると接続されている機器を使用可能になります。前述の『インターフェイス能力の判定:』と同じように振って判定してください。
・『ファイル』:機密情報が書かれた文章や図のファイルです。中身を知るには《アイディ》つかって判定する必要があります。
前述の『インターフェイス能力の判定:』と同じように振って判定してください。
・『ブラックICE』:攻勢防壁プログラムです。いくつか種類があります。今後の記事で解説していきます。
・『デーモン』:施設内をコントロールしている小規模な自立型管理プログラムです。今後の記事で解説していきます。
▶ネットランSTEP5:ウイルスを仕込む
最下層に到達するとウイルスの内容は自由に考えて仕込むことができ、ウイルスの効果はジャックアウト(NET構造体からの出ること)後にも永続します。
ウイルスを仕込む難易度と必要なNETアクション数はGMによって決定され、仕込むウイルスの複雑さによって変化します。
ウイルスを仕込むには前述の『インターフェイス能力の判定:』と同じように1回だけ振って判定してください。
必要なNETアクション数はそのウイルスを仕込むのに必要なNETアクション数であり、その回数分ロールに成功しなければならないわけではない点に注意してください。
ウイルスの内容と難易度、必要なNETアクション数の例を以下にサンプルを書いておきます。GMは難易度と必要なNETアクション数を設定する際に目安にしてみてください。
ウイルスの内容と難易度、NETアクション数の例:
・難易度6、NETアクション数1回
内容:NET構造体にインストールされているすべてのアスプ(『ブラックICE』の一種です。今後の記事で解説します。)の恐ろしげな蛇のアイコンを別のものに変更する。
・難易度10、NETアクション数2回
内容:このウイルスが破壊されるまでの間、構造体にインストールされている特定の1種類のブラックICE(今後別記事で解説します)が全く機能しなくなるウイルス。
・難易度12、NETアクション数10回
内容:このNET構造体にインストールされている全てのブラックICEを永久的に消去するウイルス。
・難易度12、NETアクション数10回
内容:このNET構造体そのものに壊滅的なダメージを与え、その階数を永久的に半減させるウイルス。
備考:ウイルスの効果の解除
ウイルスを解除する判定も前述の『インターフェイス能力の判定:』と同じように振って判定します。
ただし、目標値はそのウイルスが設置されたときに出た数値もしくは、GMが事前に決定した難易度が目標値となります。
▶ネットランSTEP6:《クローク》を使ってウイルスと自分の姿を消す
NET構造体内に敵のネットランナーが侵入した場合、相手はインターフェイス能力の1つである《パスファインダ》を使用してNET構造体の全体マップとあなたがどの階層にいるのか、そしてどのようなウイルスを仕込んだかを特定してきます。
なので、特定されないようインターフェイス能力の1つである《クローク》を使用し、ネットランナーであるあなたの存在とあなたが仕込んだウイルスの詳細を隠蔽しましょう。
《クローク》を使用する場合、『インターフェイス能力の判定:』と同じように振り、出た値を記録しておきます。この値が敵のネットランナーがクロークを解くために《パスファインダ》を使用する際の目標値(難易度)になります。
クロークを解けるのはネットランナーだけです。敵ネットランナーの《パスファインダ》が、この値を上回った場合、《クローク》の効果は解除されます。
▶ネットランSTEP7:ジャックアウトする
どの階層からでもジャックアウトを自ら宣言することでNET構造体から離脱して安全に肉体に戻ることができます。
ただし、危険なジャックアウトも存在します。危険なジャックアウトについては今後の記事で解説していきます。
本日はここまで。
今回はNET構造体の全体像からネットランの大まかな流れまでを解説してみました。
説明を見るだけだと分かりにくいと思うので、セッションでやる前に解説を見ながら実際に一度やってみることをおすすめします。
今回説明できなかった『ブラックICE』『プログラム』『デーモン』そして『ネット戦闘』について今後の記事で解説していきます。






