日本の石油製品市場は99年をピークに縮小に転じ、
今後も燃料転換や自動車の低燃費化、省エネの進展などじり貧となっていく。
エクソンモービルは経営資源を精製・販売から、
油ガス田の開発といった上流ビジネスにシフトさせている。
日本からの撤退は当然の経営判断だった。
成熟した日本市場はエクソンモービルの
厳格な投資基準から外れていた。
投資すれば事業が拡大する見込みはあった。
しかし、新興国での油ガス田開発などと比較すると
リターンは小さかった。
独り立ちすれば自らの判断で投資できる。
それを的確、かつタイムリーに行えば、
成長戦略は描けると東燃ゼネラル石油は独立へ一歩踏み出した。
国際企業のエクソンモービルは
全世界で事業ごとの縦割り組織体制を敷く。
日本でも製造と販売は分かれていて、
親会社の方針に従って動いていた。
それが、独立によって製造と販売が一体の
横串を刺した組織に一変した。
原油の調達から製造、販売までのサプライチェーンを管掌。
石油精製と石油化学の間にあった壁も取り払われた。
以前は別々の事業体で、個別に収益の最大化を図っていたが、
ガソリンや灯油、軽油、化学品の中から今、
最も儲かるものをタイムリーに決められるようになった。
エクソンモービル傘下時代は原油調達もタンカー用船も
製品輸出もすべて親会社がやってくれた。
全世界規模で調達から製造、販売のサプライチェーンを最適化し、
利益を最大化するためだ。
あくまでも世界全体での最適化なので、
日本側の事情に合わないことも起こった。
新体制に移行したことで日本最適になり、
新たな成長の芽も生まれた。
原油市場の環境変化を追い風に、
自らのオペレーションによる原油調達が予想以上にうまく軌道に乗った。
一定の期間で原油を購入するターム契約の比率を5割に設定。
競合他社はターム契約が大半を占めるのに対し、
新しい調達ソースが増え、選択肢が広がったのが追い風になった。
ターム契約を低く抑え、替わりにその時々の市況で短期購入する
スポット調達で5割を賄う。
その時の原油価格、石油製品価格、必要な製品のミックスに合わせて、
最適な原油を毎月変更して買うことができる。
その最適化を追求するために、ターム契約を5割に抑えている。
おかげで競争力のある調達体制を築くことができた。