青天の霹靂 | 田島浩司と作品―表現する―

田島浩司と作品―表現する―

カタログ&パンフレット

今しがた帰宅。

 

 

 

 

 

 

 

こんにちは。

 

 

 

 

 

 

 

「龍の絵」の交渉先でオーナーのかたから言われました。

 

 

うーんと、これは染料が買えなかったか、手に入らなかっただね、と言われました。

 

 

本当のことを話してもらって大丈夫だよ、と言われました。

 

 

チェンと顔を見合わせて「打ちあけようか。」と言ってこちらの事情を話し始めました。

 

 

充分と言える材料費が取れなくて染料が買えなかったですし、染料の素が工場に入って来なくて染料が手に入らないことも事実です、と答えました。

 

 

「春の風」という3部作の作品に残りの染料をすべて傾けることにして、「龍の絵」には染色量不十分で展示の契約に臨む方針であることを話しました。

 

 

「春の風」という3作を見せてもらってもいいかな?、と聞かれたので画像を見てもらいました。

 

 

うーん、良い絵だ、と言われました。「龍の絵」もすごく良い絵だね、と言われました。

 

 

もしよかったらだけど、龍の絵を仕上げてみてはくれないかな、と言われました。

 

 

代替えの染料の見当はつけてるんでしょ?、と言われました。

 

 

君たちは染料代のお世話にならないという感じだね。いやいや、悪い意味ではないんだ。「龍の絵」を仕上げて持ってきてはくれないかな?、と言われました。

 

 

フェークではないようだな、とチェンと話し合ってから、「わかりました、仕上げて持ってきます。私たちとしても悪い話だと受け取っておりません、より完璧に仕上げれば美術館にも見てもらえる話です。」と話しました。

 

 

そうか、やはりそこまで見越して描いてる作品だったんだね。うん、ちょっとじっくり取り組もうよ。ボクはこれ以上の口は挟まない。君たちはよくやっているし、君たちは惜しいよ、と言われました。

 

 

そのオーナーさんはさる組織で技術顧問の兼任もされているということです。

 

 

 

 

 

 

 

チェンと帰りに話したのですが、あの人、オレたちに『じっくり取り組もうよ。』と訴えてたな。まったく的を得てるな、と話しました。補完の観点から言えばやらなきゃならないだろうな、と言いました。

 

 

チェンが、オレもそれは同感だ、と言いました。代替えの染料はオレがなんとかする、と言いました。田島よ、オレたちは常に無い中で行動しなければならない、物が足りなくても作る、誰かが居なくても成し遂げる、本当にゼロではなにもできない、だがそこに田島が居ればなにかができると信じている者たちがいる、no more no limit、離れてると田島といる意味がよく解るぜ、と言われました。

 

 

そうか、障害者のオレでよかったらベストを尽くさせてくれ。なんの確信も無い、だが「やってみせる」という根拠の無い自信だけはある。最近、お前と噛み合わなくなってきた。病気が進行してる。すまんな。オレは最期は植物状態で終えることが解っている。最後の一滴が沈み切るまでみんなに命を使う。

 

 

          田島 浩司