アンのクリスマス | プラネタ旅日記

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児童書専門古本店プラネタ(無店舗)の管理人が細々~となにやら呟いております。大半は読書記録。時々頭の悪さと猫馬鹿具合を炸裂させてます。

ルーシー・モード モンゴメリ, リー ウィルムスハースト, L.M. Montgomery, Rea Wilmshurst, 片岡 しのぶ
アンのクリスマス
内容(「BOOK」データベースより)
クリスマスと新年はお祝いのシーズンでもありますが、人はこの時期にすぎた一年のことを思い、これからの一年に思いを馳せます。とくに、いまではだんだん遠いものになってしまった昔のこと、昔の人たちはどんなことを考え、何を大事にしていたかを、思い出す時期でもあるでしょう。このモンゴメリのお話のなかには、そういったものが、たくさん盛り込まれています。本書には、おなじみの「赤毛のアン」および「アンの幸福」からの抜粋もはいっていますが、そのほかは十九世紀の終りから二十世紀のはじめにかけて書かれ、雑誌に掲載されたものです。

昨年、猫を2匹も亡くして凹んで本を読む気すら失っていた私に、「アンのクリスマス」と「ナゲキバト」を、返却はいつでも良いよと言って貸してくださったのは、ダイアナ・ウィン・ジョーンズの「魔女集会通り26番地」がきっかけで知り合ったメルフレさんです。

最初はメール交換だけだったのが、現在ではお互いのお勧めの本の交換までするようになりました。


「アンのクリスマス」を送って下さったのは、クリスマス前。ちょうど、「赤毛のアン クリスマス・ブック」を図書館で借りてぱらぱらめくったあとだったので、タイミングはすごーく良かったのですが、活字の集団を眼で追うがなかなかの苦痛で、借りたまま読まない日が続き、クリスマスもお正月も終わってから読み始めました。

で、先日読み終えたのですが。


あー、やっぱりクリスマスに読むべきだった!


と言うのが正直な感想。

勿論、今読んでも面白かったし、夏に読んでも面白い作品だと思うのですが、クリスマス時期に読めば面白さは倍増するし、登場人物たちに倣って、私も親切心や思いやりの心に溢れたクリスマスを過ごせたかも知れません。


あとがきに書いてあったのですが、モンゴメリってハッピーエンドが好きなんだそうです。

これまでそんなこと全く意識せずに作品を読んでいました。

そう言えばそうだったかな?読了後に寂しさや侘しさや後味の悪さの残った作品はなかったような……。

この「アンのクリスマス」も、全く後味の悪さを感じさせない、気持ちの良い作品でした。


人に親切にするのに、理由なんか要りませんよね。

でも、何かしらきっかけは必要だと思います。

そのきっかけがクリスマスであったお話を集めたのが、この本です。

何かしてあげたから何かしてもらおう、なんて、見返りを求める優しさではなくって、純粋に、そうしたら相手が喜ぶだろうと思って行う親切。

メルフレさんが、誰も寂しい思いをしたり、不幸になったりしないお話のつまったこの本を選んで貸してくださったことも、親切の一つなんだと思って、更に嬉しい気持ちになったりしました。






C.S. コリンズ, C.W. エリクソン, Carolyn Strom Collins, Christina Wyss Eriksson, 奥田 実紀
赤毛のアンクリスマスブック