ぼくが宇宙をとんだわけ | プラネタ旅日記

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児童書専門古本店プラネタ(無店舗)の管理人が細々~となにやら呟いております。大半は読書記録。時々頭の悪さと猫馬鹿具合を炸裂させてます。

日野 多香子
ぼくが宇宙(そら)をとんだわけ―毛利衛と宇宙のこれから

内容(「BOOK」データベースより)
日本ではじめてスペースシャトルに乗った毛利衛さんは、どのようにして宇宙飛行士になつたのか。少年時代から、宇宙に飛びたつまで、毛利さんのあゆんできた道をたどるとともに、「宇宙ステーション」や「月面基地」など、将来の宇宙のすがたをあわせて紹介。小学校中級から。



星空を見上げるきっかけが何だったのか、覚えていません。きっと、母親がちまちまと、星座の名前を教えたのではないかと思うのですが、とにかく小さな頃から、星が好きでした。

小学生になって、初めてプラネタリウムを見たときの感動!

それが映像であっても、実際の夜空ではなかなか見つけることの出来ない星座を見ては大喜びし、空を超え、宇宙へ飛んでいくロケットの映像には本当に胸をときめかせたものです。

ボイジャー2号の記事が新聞に載れば切り取ってスクラップし、意味の分からない漢字や専門用語、カタカナにクエスチョンマークを浮かべながらも写真を眺め、宇宙がテーマの展示会では、いつか本当に自分達が宇宙に行って暮らせる日が来る!と信じました。

いつかこの目で、地球を見てみたい!

ガガーリンと言う人が、「地球は青かった」って言ったらしい。

青ってどんな青だろう?写真で見る地球の姿は確かに青いけれど、自分の目でそれを確かめてみたい!

いつか月を自分の足で歩いてみたい。

アームストロングと言う人が、「これは人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては大きな飛躍である」って言ったらしい。

月の大地に立ち、そこから一歩踏み出して、宇宙の姿を見てみたい。

そんな憧れで胸を一杯にしていました。

それから20年近く過ぎた現在、私はただの平凡な人間で、宇宙の宇の字も関連を持っていません。勿論、宇宙にいけるはずもありません。これから20年が過ぎたって、平々凡々とした庶民ですから、行くチャンスはまずないでしょう。

それでも私は星空が好きです。

宇宙が好きで、関連したニュースを見ること、本を読むことが好きです。

行けるはずのない場所であっても。


毛利衛さんがエンデバーに乗って宇宙へ旅立ったのは、15年前です。

私はその頃、夢見る時期を過ぎたごく普通の学生でした。自分は宇宙に行くチャンスなんかないんだと分かっていながら、それでも、ニュースをドキドキしながら見たものです。

きっと、私よりももっとドキドキワクワクした子供たちがいて、「いつか自分も宇宙へ行くんだ!」と夢を描いたに違いありません。

幼い記憶に、毛利さんの姿を焼付けたことでしょう。毛利さんが、ガガーリンの姿を目に焼き付けたように。

生まれたときから特別な人なんかいません。

みんな、最初は赤ちゃんです。それから、成長して、夢や憧れを抱いて、大人になって行きます。

毛利さんも、北海道に暮らすごく普通の少年でした。

その少年がエンデバーに乗って宇宙へ飛び立つまでの経緯が、とても分かりやすく描かれていて、読んでいると、自分が子供の頃に思い描いた夢を懐かしく、ちょっと切ない気分で思い出しました。